思念の滝壺

山に登る。

Surface Go 悲しみの船出

 Microsoftから満を持してSurfaceシリーズの廉価版、Surface Goが発売されたとのこと。アメリカで発表されたときは$399という驚異の価格で衝撃をもたらし、これでipad proやchromebookに対抗しうるwinタブが登場したと期待もひとしおのようすだった。

 

 一方で日本でも同時発売することが決定しており、数日前価格の発表があったのだが、$399のはずの最廉価モデルがまさかの「64800円」は違う意味で衝撃的だった。twitterを見てたら期待から一気にお通夜ムードになる人たちであふれ、ネットメディアもこの値付けを擁護しきれない様子であった。正直私は現在所持しているZenbookと安物ノートで満ち足りているので今回の件に関しては野次馬状態(買う気は一切ない)なのだが、結構面白いから書いていきたい。

 

 まずはじめに言っておかなければならないのは、この値付けは商品そのものに対しては妥当ということだろう。もともと他国向けモデルではMicrosoft Officeが搭載されておらず、一方日本向けモデルにはOffice Home&Businessのライセンスが付属し、これが約2万円程度の相場である。為替を考慮すると$399はだいたい¥45000だから、これらを合わせて¥64800というのはまあ、当然といえば当然の話である。

 しかし問題はそこではない。Officeライセンスが強制的に付属してしまうということである。日本のユーザーはOfficeなしモデルを買うには海外輸入しかないという状況に陥った。もとからサブ機として最小環境で用いるつもりの人や、Office 365サブスクリプションの契約をしている人にはOfficeは値段を上げる要因でしかなく、iPad対抗になるだとか期待されていた5万円切りのインパクトが消え、結果的に多くの人が購入をためらうツイートをすることに、TLはお通夜ムードとなった・・・

 直販限定でもOfficeなしモデルを販売するという選択肢はなかったのだろうか?直販じゃOfficeないことを分かって買う人がほとんどだろうし、クレームが来ないようにするためなんて言い訳は通用しないだろう。

 日本の「店頭で」販売されたPCの8割がOffice搭載らしいし、Surface GoもOffice標準搭載という視点ではそこそこ安いのでたぶんそこそこの売れ行きにはなるのだろう。それに元から個人向け市場はあまり考えておらず、法人、教育機関向けに力を入れているということもあり、MS日本法人からしたらOffice強制バンドルを騒ぐ我々にあまり興味はないんではないだろうか。日本に生まれた恩恵は大量に受けているが、日本市場の舐められっぷりは数少ない日本に生まれるデメリットかもしれない。

 ただ、Surface Goに大いに期待を持って眺めていた一部のガジェット好き層や仕事人からがっかりされたというだけの話だ。たったそれだけである・・・