思念の滝壺

山に登る。

都民の森ヒルクライム

前回筑波山ヒルクライムに続き,今度は都内で有名なヒルクライムスポットということで都民の森のヒルクライムに挑戦することにした.他の方のブログなど読んだところによると,標高こそ高いものの長距離にわたって緩やかな上りが続くということで,過酷すぎるわけでもないらしい.既に本格的なヒルクライムの経験を一回積んだということで,改めて自分の限界を試しに出かけたのであった・・・

 

筑波山ヒルクライムの反省を踏まえて今回は

  • 上り突入前に最低限1Lは飲み物を確保しておく
  • 変速をきっちり調整していく 特にローギアは最低まで入り切るようにする
  • ダンシングが取り入れられるか試す

といった心構えで出発した.

ついでに新装備も導入している.

飲み物用にCAMELBAKのボトルを購入.600mLほど入ってボトルケージにはきっちり収まる.何よりボトルを握るだけで飲めるので,走りながら飲めて大変便利.特にヒルクライム中の足をついたら負けみたいな感覚の中で水分補給できるのはきっと役に立つ.

あとはサイクルコンピュータも購入.CAT EYEのSTRADA SLIMだ.エントリーモデルなので機能はそれほど豊富ではないけど,一番欲しい機能である速度と走行距離が搭載されているので自分には十分だ.

 

6:46 新宿駅ホリデー快速に乗車

都民の森への出発地点は武蔵五日市駅が基本らしいので,そこまでは輪行するつもりだった.ということで新宿駅から出発.ホリデー快速なる快速電車があるらしく,新宿発の一本で奥多摩駅もしくは武蔵五日市駅まで行ける便利な便らしかった.6:46発だったのだが駅に着いたのが6:30過ぎで正直焦った.ここで自分の自転車分解スキルが試されることになろうとは.といいつつ何度もやった輪行でかなり手馴れてきていたらしく,ものの10分で準備は終了!なんとか予定の便に乗ることができた.車内はコロナ禍とはいえたくさんのレジャー客で満たされていて,座ることはできなかった.輪行バッグが余裕をもって入れるスペースがあっただけありがたいことだ.

で,このまま武蔵五日市まで連れて行ってくれるんだろうなーーと思ってボーっとしていたのだが,そうはならなかった.どうやら奥多摩行きと武蔵五日市行きの分岐点である拝島駅奥多摩行きにシフトしたっぽい.え?武蔵五日市行きって書いてたよね?そのまま連れてってくれるんじゃないの?と困惑.もしかしたら乗り換えのアナウンスがあったのかもしれないが,ボーっとしていたので聞いていなかった.不満たらたらである.電車システムのこういうところが嫌いである.どこ行きと書いてあるくせに実際は途中で乗り換えが必要だったり,そのために必要な重要な情報をアナウンスでしか教えなかったりしてとにかく情報が不鮮明.こういったわけのわからなさに直面したら特に外国人観光客などは困るだろうなといった感じ.

 

7:47 青梅駅到着

とはいえルートの変更も旅の醍醐味なので切り替える.青梅駅で降りて武蔵五日市まで自走することにした.早めに気づけたおかげでまだリカバーできる距離で済んだ.とりあえず近頃あまり見ないお菓子の自販機があったのでチョコブラウニーを食べつつ出発する.天気は雨の気配のない曇りで走るのには最適な感じ.

google mapで見ると,二駅間の距離は約10km,ロードバイクからすれば問題になる距離じゃない.ただ間に峠が挟まっていて,100mほど上るらしかった.今日はどうせ700mは上ることになるので予行演習である.

今回はあらかじめ変速調整はしてきたのでローギアもきっちり使えた.そのこともあって,足を温存しながらゆるゆると登り切り,その後も下りでぶっ飛ばしつつあっという間に武蔵五日市.足は温存できたけど妙に尻の筋肉を使っていたらしくちょっと痛い.大丈夫かお前・・・?

 

8:30頃 武蔵五日市駅到着

ここから都民の森までは約28km,さあ頑張るぞ!

最初の数キロはまだ市街地で,ここは平地.それからだんだんと山奥へと景色は変わっていき,道もやや上りの様子を呈していくのだが,あまりきつくは感じられなかった.斜度はあったとしても3%程度じゃないだろうか.この辺の区間は基本的にアウターローで走り続けられた.往路で漕いでいる限りはそもそも平地だと思って走っていた部分もあったが,それにしてはスピードが出ていなかった点,復路では下りであることを明らかに感じ取れた点を踏まえるとどうやらずっと上っていたらしい.下りはすぐ分かるのに上りは気づきにくいのって不思議.自分が多少の上りはものともしなくなっているということでうれしくもある.

そんな感じで最後まで続いてくれーとも思ったが,さすがにそんな甘くはない.ラスト10kmを切ったあたりの段階から上りの斜度が本格化していく.まだ間に平地が挟まったりしていたので余裕は残っていたが,アウターローじゃもう無理.いよいよ筑波山で使えなかったインナーローが火を吹くときが来た!途中リフレッシュとしてダンシングも試してみたのだが,10秒もせずに止めてしまった.心肺への負担がヤバすぎる.全力ダッシュするのと同じレベルの消耗度.確かに足への負担自体は減るし姿勢も解放されるんだけど,こんなん続けたら間違いなく途中で限界に達してリタイアすることになるだろうと思われた.途中ダンシング多用で追い越していく人がいたのだが,見えなくなるまでずーっとダンシングだった.あれで限界にならないのはホントすごい.体力あるなーと感心した.

ここまでは10km/h以上は安定して維持しながらもゆるゆると上っていったのだが,ラスト3kmが本当に鬼門だった.斜度9%の区間とかあったり,休憩区間っぽいところでも明らかに5%はある.結局ローギアを最低まで使い切り,最終的には8km/hぐらいまで落としながら走ることになった.特に印象深かったのは,挑戦するものの目の前に見せつけるかのようなあからさまなつづら折りだ.景色がやや開けて自分のこれからの道程が見える地点で,左下から右上まで延々と上っていく坂,そこから急激に折り返して右から左上まで延々と上っていく坂が一挙に見えた.なんとか自分は余裕を残していたのでそれを見たときは絶望というより苦笑(おいおいそれはいじめだろ!)といったところだったが,もうちょい疲れていた時に見たら足をついていてもおかしくはなかったろう.でも実際のところ,こういった坂は見た目よりもきつくないのが通例みたいで,根気よく上っていればいつの間にか過ぎていた.

この辺から腰が痛くなってくる.いつもリュックを背負って漕いでいるんだけど,ヒルクライムの時はこれが結構な負担になる.筑波山のときもちょっと気になってはいたんだけど今回本格的に来た.サドルの前の方に座ると漕ぎやすくなるけど腰が痛い,サドルの後ろの方に座ると腰が楽になるけど漕ぎにくい,というジレンマに悩まされ,二つを行き来しつつなんとか耐久しながら登ったのだった.今度から,リュックをロッカーに預けるなり,別の形態に変えるなりの対策が必要かもしれない.

腰と足と心肺に苦しみながらかなり限界に近づいていたのだが,そんな自分を支えてくれたのは今回導入したサイコンだった.どれだけ進んでいるかの感覚が全く失われた最終3kmで,ゴールまでどれだけあるかを客観的に教えてくれたのが本当にありがたかった.

 

10:30頃 都民の森到着

そしてゴール!結局途中で足をついたのは上りが本格化するまえの変速調整に一回だけ,実質足をつかずに上り切ることができた!うーんとってもうれしい.なんかこう,山に勝ったという感じがする.

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今回はまっとうに登り切ったので晴れ晴れと写真撮影!

ここ休憩所にはやっぱりサイクルラックが一杯おいてあり,ベンチの方も休憩中のローディで賑わっていた.ちょっと意外だったのは,自販機の飲み物の価格が普通だったこと.山の上の自販機なんかは輸送費やらがかさみやすいので割高だったりする.ここの飲み物が安いのは,標高が高いとはいえきっちり整備された道路でアクセスが良いからだろうか.

エネルギー補給に三頭(みとう)だんごを購入.味はくるみみそ.売店のおじいちゃんが愛想よく売ってくれたが何と言ったか聞き取れなかったので曖昧に笑って応える.ごめんなさい.表面が結構カリカリになっていて,中も粘り気が少なめの触感.これはこれでなかなか良い.味はだいぶ濃く仕上がっていた.平時に食べたらちょっときついかもしれない.運動後のローディ的にはちょうどよかった.途中ふわっとくるみの風味が香ってなんともいい感じを楽しめた.

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三頭だんご(くるみみそ).撮るのを忘れて一口いった後.

 

11:15頃 風張峠到着

どうやらここよりも標高の高い峠があるらしく,ブログなど読む限りではここまでほどはきつくないらしい.だったら当然行くしかないので出発!休憩のおかげで足は多少復活している.

実際それほどきつくなく,途中下りもはさみつつ到着できた.

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東京都内道路の最高地点,風張峠!

同じタイミングで来た人がいたので話しかけたら,その人は今年3回目の挑戦でそれまでこの標識を見つけられていなかったらしい.自分が教えられてよかったよ.ちなみにこの標識は道路のすぐそばにあるので写真撮影には細心の注意を払おう.

 

そして~

ここからは~

お楽しみ,ダウンヒルの時間だ!!!

ブレーキをこまめにかけながらも平均時速40km/hでぶっ飛ばす!途中何度も苦しみながら登るローディとすれ違う.自分が通ってきた道でもあるのだが,正直にやけながら頑張れーと他人事のように応援するのが楽しい.上ってきたときは対抗車線の人にあいさつする余裕などなかったが,下りではすれ違うたびに相手をよく観察して,会釈してくれるようであればこっちから会釈し返す余裕があった.これが上りと下りの格差・・・!

最初の10kmぐらいは全く漕ぐ必要がなく本当に快適だったが,その後,往路で楽に感じていた部分は当然,復路でもそんなに楽な区間ではないのでダウンヒルの快感は少しずつしぼんでいく.途中上りの区間もあったりして,もう俺の足は売り切れてるんだ,これ以上いじめないでくれ!といった感じで必死に走っていった.ただ,ここで,往路で平地に感じていた部分もほとんど楽に走れて実は傾斜があったということを改めて実感していく.あと,頑張って漕いでいても速度計で25km/hとかしか出ないときがあり,足の調子が如実に出ていることがサイコンの導入で白日の下に曝された.

 

12:50頃 昼食

13:30頃 武蔵五日市駅到着

14:03 青梅特快出発

15:00頃 帰宅

 

そしてようやく武蔵五日市へ帰ってくる.

他にも帰還してくるローディは大勢おり,多くがすぐさま輪講準備をして即帰っていった.疲れはかなーり来ていたので自分も一瞬それに追従したくなったが,昼食にちょうどいい時間だし,ここでしか食べられない何かが食べたかったので飲食を探す.これまではマップで飲食を探すことをなんとなく避けていたが,結局新しい飲食を人の紹介以外で開拓する方法として最善だと気付いたのでこれからガンガン使っていく.

今回は初後亭なるうどん・そば屋に入った.横にサイクルラックもあってありがたい.うどんは小麦の栽培から完全に自家製らしく,老夫婦が趣味で経営している落ち着いた雰囲気の店という印象だった.頼んだのは肉汁うどんの大盛り.

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初後亭にて,うどん.


 うどんはコシがもう一歩,つゆはもう少し濃くても良かったといった感じだったけど,小麦の栽培から完全自家製でこの出来まで持ってきていると考えると素晴らしかった.柚子胡椒も自家製らしい.もしや付け合わせの野菜も?

ちなみに,メニューに引きずり出しうどんというのがあった.西多摩で結構前からある食べ方らしい.ひっぱりうどんと全く同じ食べ方が全く離れたこの地域で定着しているのは不思議で興味深かった.文化の孤島というか.

 

そして帰りは青梅特快という新宿まで直通の電車に乗って帰宅.輪行準備の時に後輪のたけのこばねを一つ失くしてしまった.走りには影響ないらしいがよく輪行する自分としてはクイックリリースをやりやすくするバネは補充したいところ.

 

総括としては,前回から成長したのを実感できた!そして導入した新装備たちがさっそく大活躍して快適な旅だった!そして旅の恥はかき捨てが自然に実行できるようになってきた!自分がなにか恐怖や億劫さを感じたとき,その理由をよく考え,自分の行動を監視する主体も抑制する主体も存在しないのだと改めて実感すること.精神が開けてからずっと考えていたことではあるが,徐々に実際に行動に現れるようになってきている.このまま自分自身の自然な衝動を大事にしていきたい.

 

食べ物

  • 朝食に白米と豆腐 300kcal
  • チョコブラウニー 200kcal
  • 三頭だんご 
  • うどん 
  • アイス

合計2000kcal弱といったところ.消費カロリーはたぶん2000以上はあるのでマイナスかな.

 

飲み物

  • 出発時グリーンダカラ500mL+麦茶600mL
  • 武蔵五日市で追加グリーンダカラ500mL
  • 都民の森でスポドリ500mL+アミノサプリ500mL+麦茶600mL

麦茶は飲まずに持ち帰ったので合計2600mLの消費.意外と水分は節約できた感.