思念の滝壺

山に登る。

南多摩尾根幹線道路(尾根幹)+津久井湖+相模湖+大垂水ヒルクライム

今回はツイッターとかで検索したときによく出てきた都内ローディの聖地,南多摩尾根幹線道路,通称尾根幹に行ってきた.なにせ初めてで土地勘はないので,ロードバイク情報サイトで紹介されていたルートを参考にして旅に出た.

筑波山や都民の森は,さすがに自走から直接ヒルクライムに挑戦できる距離感ではなかった.でも今回は都内で割と近い.以前多摩川サイクリングロードを終点まで往復したことがあるわけだが,尾根幹の出発点稲城市はそれよりも近いし自分のスピードも間違いなく上がっている.これは輪行しなくても行けるやろ!ということで7時ごろに自宅を出発した.もちろん帰りは輪行する前提なので輪行袋はちゃんと携帯したのだが.

サイコンが前回から引き続き本当に便利で,自分が巡航30km/h出せているかどうかがよくわかる.メータの数字を上げるのが楽しいので,信号が多い都心部を走っているときからすでに結構スピードを上げていく.ただ今日はなんか既に太ももが硬い感じがする.心当たりはあった.ロードに乗っていないときも太ももを強化するべく最近は毎日スクワットをしていたのだ.前日はさすがに控えたもののちょっと筋肉疲労が残っていた疑惑がある.今回真にきつくなるのは後半なのでお前大丈夫か~~??といった感じだった・・・

新宿駅近くで知らない女性から話しかけられ,新宿駅の位置を聞かれた.ロードバイク装備だとヘルメットとサングラスで防御を固めているため他の人の干渉を阻むようなところがあり,まさかローディ以外の人に話しかけられると思っていなかったのでドギマギ.ちょうど新宿駅を過ぎた直後だったので自分の通ってきた道を指し示したわけだけど,あれではやや説明不足だっただろう.準備していないときでも人とすぐコミュニケーションできるくらいには自分を開示していたい,と思いつつ稲城市めがけて突っ走るのであった.

都心のやたら多い信号を切り抜け,やたら路肩に停まっているトラックを避け,やたら走っている大量の車とやりとりしつつでなんとか尾根幹始点に到達する.こういう状況を何度も経験すると郊外住みがうらやましくなってくる.通勤に時間はかかるだろうがローディ的価値観では輪行の必要がないのは強いよなあ・・・

始点のローソンには色とりどりのローディ集団がたむろしていてなかなかに壮観だった.一つの視界にこれほど多くの人数が映っている光景は初めて見た.なんか普通のジャージとリュック背負いでゆるゆる走っている自分はそこに居づらい.自販で飲み物を補給しつつすぐさま尾根幹を走り出す.

肝心の道であるが,何度もあった上りは傾斜が緩いことがほとんどで,それほどきつさを感じることはなかった.ただ,一回だけやや強めの傾斜+長い距離の上りがあって,そのときはゴリゴリに減速して悔しかった.言い訳をするんであれば足に疲労が残っていて上りに辛さがあることと既に50km以上は自走をしてきていたことだろうか.でも悔しい!あれぐらいはアウターでかっ飛ばせるぐらいにはなりたい.途中猛スピードで自分を追い抜いていくガチな方々にはリスペクトを禁じえなかった.

尾根幹のきつさは上り自体というより,下り切った谷の地点に大量に信号が配置されており,毎回毎回上りを改めて踏みなおさなければならないという点にあった.これは情報を調べたサイトにも書いてあったので覚悟していたことではあったが,実際下りでかっとばしてそのままの勢いで上りに移行したいタイミングで止められるのは結構なストレスだった.

とはいえ距離もそれほどではないのであっという間に終点に差し掛かる.この時点で10時ぐらいであった.昼食にはまだ早いので,寄りたい店もあったものの後ろ髪をひかれる思いで引き続きルートを進むことにする.というか引いたルートが尾根幹だけじゃなくてよかった.これだけで終わりにしてたら絶対に不完全燃焼だった.もっと出力を!俺に坂を!みたいな感情になっているあたり自分もヒルクライム中毒者になり始めているような・・・?

今日のルートはここから津久井湖を目指すものだ.尾根幹終点からしばらく走っていると,光景は次第に田舎になっていく.途中でルートを間違えて湖面が見えないところを走ってきてしまったためちょっと戻る.疲れも感じ始めていたため本当に戻るのか一瞬悩むが,ここで湖を見ずして何のためのライドだ!?と思い直すのだった.別に速度を競ってかっ飛ばすだけなわけではなく,自分の知見を広げる意味もあっての最近のロード旅なので観光には妥協したくない.

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津久井湖畔の風景.紅葉が見たかった

津久井湖はいかにも山あいの小ぢんまりとした湖といった感じでのどかな雰囲気が漂っていた.公園には自分の他にも自転車乗りがいてやっぱりこの辺は走るのに最適な地域なんだなーといった感じ.スポーツバイクじゃない自転車で旅の装備を固めている二人組がいて,そういった旅の仕方もそれはそれで楽しそうだと思った.あと道中で坂をロードで頑張って上っているおじいちゃんがいて勇気づけられた.その年になってもロードバイクに乗っていられるんだな!

少し休憩した後,今度は相模湖まで一直線で向かう.そろそろ昼食の時間だ.というタイミングで道中にZEBRAなるカフェを見かける.これは事前にサイトで情報を見つけていきたいと思っていたカフェだ.これは好都合ということで昼食もかねて入ることにする.前情報通り,入り口までスロープが置いてあり,自転車をそのまま店内に持ち込むことができた.しかも店内にはバイクラックがあり,バイクを見張らなければいけないという状態から完全に解放されてリラックスできた.これは本当に重要なことで,これをしっかりして貰っているだけでローディとしては素晴らしい店という評価になってくる.

注文してしばらく待つ.店内は広々としていて,ゆったりとした間隔で大きな木のテーブルとベンチが配置されており,周りの人を気にせずにくつろげる良い雰囲気だった.テーブルには英語の絵本が置いてあってなんかシャレオツ.ほんのりとコーヒーの良い香りが漂ってきて嗅覚も刺激する.

そして今日のメインディッシュが届く.

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ZEBRAにて,カフェラテ&クロワッサン&パン・オ・ポム.

今日の注文はホットカフェラテとクロワッサン,パン・オ・ポムにした.クロワッサンはめちゃくちゃ大きくてすっごいおいしそうだったので頼むのは確定していたが,腹が減っていたのでもう一品頼むことにした.気になったのはアップルパイ然としたパンだった.というかどう見てもアップルパイだが,名前はパン・オ・ポムらしい.なんか発音するのが恥ずかしいメニューではあったがとりあえず名前通りに注文した.

まずクロワッサン,期待を裏切らないめちゃくちゃなおいしさだった.持論としてクロワッサンは中のバターが染みた柔らかい部分が一番おいしいと思っているのだが,このクロワッサン,体積が大きいだけに中のその部分もたっぷり食べられた.肝心の味もバランスがとても良く,終始幸せな気分で食べきった.

次にアップルパイだが,これもリンゴの味付けとカスタードクリームの量が大変よく,また生地もパイの割に重すぎなくて食べやすかった.全体の食感が統一されていてすべてがきちんと馴染んでいる感じ.カロリーは結構あったはずだしクロワッサンを食べた後ではあったが,そんなことが気にならないくらいにはペロッといけた.

雰囲気もいいしパンもおいしいしコーヒーもそれを引き立てる,ロードバイクを停めさせてくれるだけではない本当にいい店だった.近くにあったら普段から通いたいぐらいだよ!

腹ごしらえも済んで,しばらく休んだことで足も復活していることを期待して相模湖へ向かう.途中上りにさしかかったときに猛烈に減速して復活などしていなかったことが明るみに出てしまうのだが,まあまだ頑張れる!(意地)(負け惜しみ)

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相模湖.津久井湖よりも広がりを感じる.

そして相模湖に到着.湖面が津久井湖より広々とした感じで,公園も結構大きかった.入り口付近にはカヌーを扱っている人たちがいて興味深かった.どうやら相模湖はカヌーの練習場として利用されているらしい.観光用の船着き場の方には終わったバブルと昭和の雰囲気がにじみ出ていて,これはこれで面白かった.

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船着き場近くの古代アーケードゲームたち,失われた時代の面影を残す.

走行距離は80kmに差し掛かり,そろそろ休憩しても回復した感じが得られないぐらいになってくる.が,まだなぜか物足りない!たぶん都民の森の超長距離上りに毒されたせいである.相模湖までにあった上りで息を切らしながら漕いでいるときには相模湖で終わろうと思っていたものの,いざ着いたらまだ距離を伸ばしたいと思ってしまったのであった.つくづく無謀な人間である.

ということで本日の最終行程にしてラスボス,大垂水峠を目指して上り始める.ここで今日もっとも反省すべきことが発生.上りがきつくなってきたときにローギアが入りきらないことに気づいたのだ.大丈夫だろうと根拠もなく思い込んでしまっていた.直前にしっかりつまみを回しておくべきだった.あと,そもそもの問題としてハイに入るようにしたらローに入らない,ローに入るようにしたらハイに入らないという状態が問題なので,そろそろリアディレイラーを真面目に調整しなければ.

でもそのトラブルさえ除けば,消耗していた割には健闘した.斜度は終始5%程度を行き来していて,都民の森に比べたら大したことはない.本格的な上りは4km程度ということで,サイコンで距離を見ながら進んでいけば全く絶望感に悩まされることもない.ローギアで頑張って回しつつ,(ツマミ調整の序盤の1回を除いて)足をつかずに上り切ることができた.さすがにね,あらかじめ二つも本格的なヒルクライムをやっちゃってたからね.

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大垂水峠

頂上ではほかにもローディの方がいて,碑の前で立ち止まっていたので撮影のためにお願いしてよけて頂いた.そのとき写真を撮りましょうかと提案されたのだが,自転車だけ写っていればいいと言い訳して断ってしまった.こういう,対人でのノリの悪さは自分の直すべき点の一つだ.何か干渉があったとき,拒絶から入ってしまうのだ.自分も写った写真があったって面白かっただろうし,なんならどちらのパターンも撮ってよかったのだ.親切で提案してくださったであろうあの方に申し訳ないことをした.

そのことに反省しきりながらお楽しみダウンヒルに入る.とはいえ上り自体が大したことがなかったので下りもあっという間に終わってしまう.そして高尾山口駅に到着.駅は高尾山を登る人で一杯だった.自分も筑波山のときみたいに直接登山接続のエクストリームスポーツを楽しみたかったのだが,さすがに時間が経ち過ぎている.今後自転車とかじゃなく普通に高尾山を登りに行きたいな.と思いつつ,しばらく先にあって比較的人の少ない高尾駅から輪行して帰る.この時点で14時ごろだった.東京駅までの特別快速があるのが本当にありがたい.やっぱり都心からのアクセスはこの辺の観光地には死活問題だろう.ちなみに今回の輪行準備は12分程度かかった.10分後の便にはさすがに間に合わなかったが,焦らず余裕を持った作業でもこの程度の時間しか掛からなかったあたり,確実に手際は良くなっているといえそう.

 

今回の総括としては,なんかコンディションがベストじゃなかったことがちょっと悔やまれる.が,尾根幹のアップダウンと大垂水ヒルクライムがあるにもかかわらず総走行距離100kmを余裕をもって走り切れたのはすごくよかった.自分の進歩を確実に感じて自信になる.ただ,旅であった人ともっとオープンな態度で接せるようになること,変速の調整をもっときっちりすることは今後の反省かな.

 

食べ物

  • 朝食にカロメ
  • クロワッサンとアップルパイ

パンで思ったより腹いっぱいになったので消費カロリーがマイナスになっているのか怪しい.

 

飲み物

  • 出発時麦茶500mL+紅茶400mL
  • 道中自販でアクエリ500mL+ポカリ500mL*2+おーいお茶500mL+生茶500mL

紅茶はお守りのようにリュックに入れていたが結局消費しなかったので合計3000mLの消費となった.都民の森の時より多いっぽいのが意外.