思念の滝壺

山に登る。

東京-甲府ライド in 1dayやってきた

3/25木曜日、卒論もひと段落して時間に余裕があるので、久々に遠距離ライドをすることにした。相棒のFR60、ずっと空気詰めとチェーンオイルだけでここまで来てるからそろそろどっかに不具合が出そうで怖い。まあその時は電車で帰るということで、今回は甲州街道を突っ走って甲府市を目指すことにした。

 

6:30 出発

心理的にゆったりした状態で出発したので、前日の準備もせず、5時半に起きて準備、6時半に出発、という感じだった。こんなスケジュールにしたのも理由があった。東京から甲府市までの距離は道なりで約140km、これは自分が初長距離ライドをしたときの宇都宮までの距離とほぼ同じだったのだ。あの時はロードバイクに本格的に乗るのが初めて、かつ8月のめちゃくちゃ暑い中で休憩を何度もとりながら、それでも15時までには宇都宮に着くことができた。その経験からまあ今回も日が暮れるまで走り続けなきゃいけないなんてことはないだろう・・・という思いだった。まあその時は途中である高低差のことなんてちっとも考えていなかったわけだが・・・

 

とりあえず、途中までの道のりは前回の相模湖までのライドとさほど変わらないため安心感がある。新宿駅までゆったり走り、そこからは甲州街道に乗る。途中ちょっと道に迷って少し外れることもあったものの、今回のライドは基本的に終始甲州街道に沿って走り続けるものだった。そもそも東京から山梨までのルートが基本それしかないしね。

史上最長のライドになるであろうということで、なるべく脚は温存したいので尾根幹はスルー。代わりにほぼ平坦な甲州街道を進み、途中で路辺でカロメを食べて朝食替わりとしたりしながらも10時ぐらいまでには高尾に着いていた。3時間ちょっとで東京市街地は普通に突破。順調である。ちなみに東京市街地を走ってると何度も信号で足止めされ、結局時速十数キロに律速されてしまうことがなんかモヤっていたのだが、どうやらそれは自動車でも同じらしいのであまり気にしないことにした。だったら市街地をなるべく早く抜け出すようなルートどりをするのが肝要ということになりそうだ。あとは輪行で抜けてしまうのも結果的には速くなりそう。

そのまま自分が甲州街道に沿って進んでいると何の疑いもなく、高尾山口を抜け、トリックアート美術館を横目に見ながら進んでいったのだが、どうやらここで自分は重大なミスをしていたらしい。途中から斜度がきつくなってくる。県境だから標高が高くなることは覚悟していたが、それでもちょっと登りがきつすぎやしないか!?当然長距離ライドに焦点を合わせているので、ヒルクライムでスピードを維持する心の準備などしていない。途中でツマミをローギア用に調節する休憩をはさみながらも、ヘロヘロで何とか上り切った。そこで見えたのは、バス停の標識に「大垂水」の文字。え・・・俺は知らず知らずの間に大垂水を登っていたのか・・・?まさかの2回目トライを成功させていたのだった。ここで前回上ったときのことを思い出す。前回は相模湖まで行った後、ちょっと物足りなくて東京側へ逆行する形で大垂水に挑んでいたはずだ。と、いうことは・・・本来相模湖まで大垂水に登らずに比較的平坦に行けるルートがあったはずなのだ。失敗した・・・と思うと同時に、実のところライドの途中にアクセントとなる出来事が挟まってむしろ楽しめてるな、と思う自分がいたのだった。なお、石碑の写真は撮り忘れたので今回は見下ろす景色を撮った。

 

 10:18 大垂水峠登頂

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大垂水突破時、頂上での撮り忘れの代わりとばかりに撮ったちょっと下の景色。

その後、ご褒美のダウンヒルを楽しみつつ目の前に前回も訪れた相模湖が見えてくる。県境を越えたということで、そろそろ今回のライドのピークは終わりかな?なんて思いながらゆったり走っていた。まあピークはこれからな訳だが。

ZEBRA COFFEEにも寄ろうかと思ったがカロメとコーラのエネルギー補給がしっかり効いていたので今回はスルーする。

 

11:07 昼食休憩

山梨県に入ったあたりでさすがに腹も減ってきて、途中でおいしそうな店を見つけたので昼食休憩にした。高島屋酒饅頭店であんまんとみそまんを買う。(写真を撮り忘れる大ポカ)もっちりした感じの生地であんがよく合っていて特にあんまんはおいしかった。みそまんは風味はいいけど個人的にはちょっと塩気が強すぎた。まあサイクリストにはいいっちゃいいけど。店主の方に話しかけられたのだけど、話しぶりを聞くに結構自転車乗りの人がここに寄ってるのかな?という感じだった。ちなみにここで国道20号始点から73kmらしい。11時にもう折り返しだから、まあこれからアップダウンがあっても日が暮れる前には着けるだろう!と明るい見通しだった。とはいえ着く時刻の予測はブレがあって、最速14時、遅くて16時かな?といったところ。

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高島屋前の距離表示。折り返しだー

 

ピークは過ぎたと思って気楽に甲州街道を突っ走り始めたのだが、問題はここからだった。相模川に沿って緩やかな上りがず~~~~っと続く。しんどい。まだ力は残しているとはいえ、ゆるくて長い上りはきつくて短い上りよりもずっと精神的にくるものがある。もしかして甲府までこの緩やかな上りが続くのかと弱気になりつつも、そうなったらそうなったで頑張ろうというのんきな自分もいる状態で進み続けていた。(事前にルートの高低差は調べていない。みたらげんなりしそうで嫌だったので)が、どうやらこれは峠の前哨戦だったらしい。だんだん登りがきつくなってきて、最終的に明らかに大垂水よりも過酷な状態になる。県境超えた先にもこんな障害があるなんて聞いてねえよ!!(自業自得)となりつつ、大垂水に負けないスピードの落とし方をしつつも途中で笹子峠の文字が見える。そうか、話に聞いていた笹子峠というのはここにあるものだったのか。そして、新甲州街道では笹子峠の頂上までは上り切らなくてもいいように整備されているらしい。命を救われた、さすがに1000mレベルの頂上まで突っ込まされたらやばかった。

そして頂上付近でトンネルに突入する。トンネルの歩道の間隔は非常に狭く、自転車で通るときはかなり注意する必要がありそうだった。でも正直ここに来るまでにヘロヘロになっているので注意しててもミスは起きるらしい。白線上を速すぎもせず遅すぎもしないスピードで漕いでいたのだが、途中で進路がぶれ、白線近くの段差に引っかかって盛大に転倒した。この瞬間、よく言われるような「頭が真っ白」にはならなかったが、一瞬であ、事故ったかも、というのとすぐ避けなきゃ!!という強烈な焦りで反射レベルの速度で自転車を自分の手元に引き寄せつつ一瞬で路辺に退避した。このとき後ろの車は車間距離を長めに空けてゆっくり走ってくれていたのだが、これがもしも追い越しをかけてスピードを上げた車両が後ろだったら本当に危なかったとヒヤヒヤしていた。特に自分が疲れている実感があるならいくら注意してもし過ぎることはないし、歩道がせまけりゃ多少車に迷惑をかけることになっても車道寄りに安全に走った方がいいと痛感した出来事であった。

そんなヒヤリがあった笹子峠であるが、ライドのピークはここだったらしい。その後のダウンヒルを一通り楽しんだ後、ついに甲府盆地の平野部に突入する。ここからは普段通りの感覚で着実に走れば着く・・・はずなのだが、もう足が売り切れてしまったようでもはやスピードは出なかった。時速25から20に下がり、最終的に甲府市に着き、ネカフェを見つけてどこに泊まろうか考えたりし始めたところではもはや15でタラタラ走っていた。ここで熱中症症状が出たらしく、途中でめちゃくちゃ気持ち悪くなってくる。降りて座り込み、グリーンダカラを飲んでしばらく休んだら回復した。熱中症はどうやら体温そのものの上昇よりも、発汗のし過ぎによる電解質バランスの崩壊のほうがヤバいっぽい。

 

15:14 甲府市到着

最後は心身ともにヘタレながらも、15時過ぎ、ついに目的地甲府に到着!!

総走行距離はサイコンいわく148km、走った走った、文句なしの史上最長距離だわ。

途中甲州街道を外れたこととか、登りをやや蛇行したことなどがおそらくちょっと長い計測距離に影響している。

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甲府駅前にて。駅ビルと指輪っぽいオブジェ。

日が暮れる前どころか、かなりの活動時間を残して到着することができてほくほくである。ということで甲府ならではのものを楽しむことにした。まず宿の確保だが、駅前のビジネスホテルを当日ながら確保することができた。さすがにシングルは埋まっていたが、ダブルならちょっと料金が上がって8000円になるものの空いていたので即座に確保。部屋がなかったらネカフェになっていたので、ゆったり泊まれる場所があってラッキーだった。なお駅前ということもあってロードバイクを預かってはもらえないようで、輪行袋に入れて持ち込むことになった。まあ分解自体は何度もやって完全に慣れているのでお茶の子さいさい。問題はそっちよりも、翌日観光をするとした場合にこの状態のロードバイクを預けられる先がないということ。駐輪場もちょっと怖い。幸い時間があったので、今日で観光は済ませて明日はすぐ帰ってしまうことにした。

もう成人している以上、お酒をお土産に買う選択肢が生じていることに気づいた。山梨といえば甲州ワインを話に聞く。ちょうどよくワインセラーがあったので手ごろな価格のものを2本購入!赤ワインは強烈な主張が苦手で敬遠していたので、これを機会に見直してみたい。

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甲州ワイン。

腹も減っていたので、ほうとうを食べた。なんだかんだで今まで食べたことがなく、予想としてはとろみがあって麺のコシが少なめ、な感じかな?という感じで食べ始めた。

結論、疲れた体にとても染みたよ。味のベースは豚汁そのものといったところ。豚汁自体美味しいので悪くない。スープのとろみは意外と無くて驚いた。麺が小麦だったので本式のほうとうではないからかな?とはいえ飲食店ではそう出せないんだろうなと。昔ながらの作り方のものは地方の家庭で作られてそうとイメージ。麺はコシこそないけど、平麺特有のすすったときのチュルンって感触がとても心地良かった。

具は豚肉、人参、白菜、油揚げ、山菜、かぼちゃ、里芋と盛りだくさん。特にかぼちゃ里芋のホクホク勢がヒルクライム入りの長距離ライドで死んだ心に活力を与えてくれた。HPそのものは減ったままだが回復速度にバフがかかった感。

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駅前ビルで食べたほうとう信玄餅つき。

その後はダブル特有の2倍アメニティをフル活用して快適な宿泊をしつつ(ホテル特有のシーツの肌触りにも少しずつ慣れてきた、普通に爆睡した)、朝飯はホテルのものを頂き、チェックアウトは朝9時前にゆっくりと、そしてJRに乗って高尾駅で乗り換え、快速でお茶の水で降り、そこで組み立てて一気に帰還した。終始普通の席にいまいちスペースがなく優先席を使ってしまってちょっと肩身が狭かったので今度からはもっと隙を見計らってシュバっと入り込みたい。

ちなみに今回はANKERのモバイルバッテリーがとんでもなく活躍した。どうやらバッテリーとケーブルとiPhoneごと一応ポケットに入るらしく、常に充電しながら100%で情報を調べ続けられ、また暇つぶしもできるのは心の救いになった。

 

総括としては、史上最長のライド、楽しめたと同時に以前よりもハードルをあまり高く感じずにこなせたので肉体的な成長だけじゃなく精神的な成長も感じた!初めてライド先で宿泊という術も身に着けたので、これからは輪行だけでなく宿泊も活用してどこまでも行けそうだ。来る春夏秋、フルに楽しみたい。

 

食べ物

  • カロリーメイトメープル+チーズ 800kcal
  • 酒まんじゅうみそ+あん 600kcalぐらい?

甲府に着いて以降は他にもガッツリ飲み食いしてるけどライド中はこんなもん。

 

飲み物

  • 出発時ポカリ500mL+麦茶600mL
  • 道中コーラ500mL+爽健美茶600mL+ポカリ500mL+グリーンダカラ600mL

合計で3300mL、だんだんどこで水分を取るべきかの感覚がつかめて無駄なくなってきた。あとこまめに補給できるボトルはホント有用。

今回インナーギアに入れているときにジャージが何度も引っかかる感覚があって見てみると、どうやらジャージに穴が開いてしまったらしい。アウターギアの時はそういうのはないので、ギアを覆うチェーンに守られていた形になるわけだ。これじゃ困るので縫うかなー。