思念の滝壺

山に登る。

【Omnifactory】解説Part2(Applied Energistics2による自動クラフト・在庫管理)

本パートではOmnifactory環境下でのチャンネルが無効になったApplied Energistics2(以下AE2) を運用していく方法を解説する。

Omnifactory解説とは銘打っているものの、実際はチャンネルを無効にしたAE2を使う際に普遍的に参照できる内容にするつもりである。

また、チャンネルが有効な環境下でも、ただ必要なだけチャンネルを引っ張ってくればいいだけなので正直同じである。ひと手間加わるだけ。

 

(2022.4.12 内容を追記修正・画像を追加。)

 

 

 はじめに

工業MODの醍醐味といえば大量生産だ。ラージチェストを溢れて1k,2k,... と無尽蔵にたまっていくアイテムを眺めて心地よい気分になるのがクラフターの日常茶飯事なわけだが、その際にどうしても無視できない問題が発生する。

  • アイテムの量・種類が多すぎて管理しきれない。
  • 特にGregtechで顕著な問題だが、中間素材が多く、クラフトの工程が複雑すぎて疲れる。そのうちにやる気をなくしていく。

これらの問題を解決してくれるのが在庫管理・自動クラフトを可能にしてくれるMODだ。

 

代表的なものにはApplied Energistics2 (AE2) と Logistics Pipes (LP)がある。幸いなことにOmnifactoryにはどちらも入っているので、好きな方を用いればよい。

 

さらに、1ブロックにアイテム導管・液体導管などをまとめることのできる優秀なMODのEnder IO (以下EIO)、木材さえあれば作れて大量のアイテムを保管でき、中盤以降はAE2のシステム自体に組み込める倉庫MODのStorage Drawers の2つも入っている。これらを組み合わせて用いれば、複雑な自動化や在庫管理もほとんど達成できる。

 

私はLPの知識はほぼ0に近く、実況動画などでAE2を運用している様子を見てなんとなく概要についてはつかんでいたため、AE2に特化してゲーム最終盤まで進めた。その運用について得た知見をここに書き残しておき、希少にもここを訪れてくださった方の参考になればいいと思っている。

 

ここで解説するのは、

AE2の仕様や設備の作り方・使い方 ではなく、

便利な在庫管理を、AE2をどう使えば実現できるのか である。

 

AE2の始め方や各種アイテム(ME Driveなど)の作り方、自動クラフトのパターンの登録方法などはすでに日本語記事や動画でも多く解説されているはずなので、そちらを参照していただきたい。

 

自動化・在庫管理の解説

自動化の基本

AE2のメインコンテンツ、ME DriveにStorage Componentを入れ、電源を供給してアイテムを貯蔵し、ME terminalを介してアクセスできる「ME倉庫」。アイテムを大量に保管できるだけでも便利だが、自分の手で作るのが面倒な大量のアイテムを自動で作成できる機能はさらに我々の工業生活を快適にしてくれる。

自動化の方法で最も基本的な方法は以下の二つである。応用的な方法も、結局はこれらの組み合わせである。

  1. レシピ登録
  2. 数量管理 

それぞれ軽く解説すると同時に、利点、欠点についても書いていく。

1.レシピ登録

Blank Patternに作りたいアイテムのレシピを登録し、それをMolecular Assemblerやかまどなどの加工マシンに隣接したME Interfaceにセットする方法。

(例)原木を焼いて木炭を作成するのを自動化したいとき、まずかまどにME Interfaceを隣接させる。次に、Blank Patternに【(材料:原木1個)(成果物:木炭1個)】でレシピを登録する。このPatternをME Interfaceにセットする。こうすると、システムはこのレシピを認識するので、ME Terminalから木炭の作成を注文できるようになる。

レシピ登録の利点

  • システムがそのレシピを認識してくれる。これはとても重要。いくつもの中間素材を必要とするアイテムも、すべてを丁寧にレシピ登録していくことで、倉庫に原材料さえ貯蔵していれば勝手にクラフトを連鎖してくれる。(例えば、・木炭と木の棒を材料とするたいまつのレシピ・原木を材料とする木炭のレシピ・木材のレシピ・木の棒のレシピをすべて登録していれば、原木さえ倉庫にあればたいまつを注文できるようになる)
  • 注文した量だけちょうど作成してくれる。作りすぎて原材料が足りなくなったり成果物が余ったりすることがない。

レシピ登録の欠点

  • 注文した量だけしか作成しない。それ利点にも書いてたじゃないかと思われるだろう。でも実際これは諸刃の剣である。必要なギリギリしか作らないので、中間素材や成果物の在庫が貯まってくれないのだ。(例えば、たいまつを大量に注文すると、在庫の木炭がすべて使い切られ、足りない分は必要なだけ自動クラフトされるわけだが、終わった後には木炭の在庫は0になっている。木炭を使いたいなあとふと思ったとき、在庫からすぐに取り出すことができない。自動クラフトされるのを待つことになる。この時間のロスは工業MODでは積もり積もってかなり大きくなる)
  • 時間がかかる。注文して初めて作成に取り掛かるのでどうしても時間がかかる。この点は、あらかじめ作り置きしておく数量管理の方が有利である。
2.数量管理

成果物が一定量を下回ったら自動で補充するように、もしくは原材料が一定量を上回ったら自動で加工するように設定する方法。

1つの加工機械に1種類の成果物を担当させることになる。基本は原材料をその機械に搬出し続けるわけだが、ただ搬出して成果物をME倉庫に取り込むだけでは原材料を使い切ってしまう。よって、数に応じた制御が必要になる。

制御の方法は主に2つある。

  • ME Level Emitterを使う方法。Level Emitterは、指定したME倉庫内のアイテムが、ある数を上回ったり下回ったりしたときにレッドストーン信号を出してくれる便利アイテムである。
    • (例)原木の在庫が100個よりも多くなったら、余った分を木炭にしておきたいとする。ME Interfaceを置き、原木をストックするように設定する。そこからEIOのアイテム導管を伸ばしてかまどにつなげる。そのアイテム導管が動作する条件を、レッドストーン信号を受けたときのみにしておく。その導管に向けて、ME倉庫に接続したLevel Emitterを取り付け、原木の在庫が100個よりも多くなったらレッドストーン信号を出すように設定する。

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      Level Emitterによる数量管理機構の構成例。
  • Storage DrawersのDrawerを使う方法。加工機械のアイテム搬出先をDrawerにすると、Drawerが一杯になったときに生産ラインが詰まって処理が止まるため、自然と成果物の数に応じた制御になる。ついでにDrawerにStorage Busを取り付ければ、そのDrawerもME倉庫に組み込まれる。デフォルトでは32スタック(2048個)で、UpgradeやDowngradeを使えばストックの数をある程度調整できる。

設置や設定の手間を考えると、Drawerを使うのが最も手軽である。ただし、Drawerでは数量の厳密な設定ができないこと、原料の数に応じた制御ができないことには注意。

 

数量管理の利点

  • 定量の在庫が常に確保される。原料も成果物もある程度ストックされるよう設定できるため、欲しいアイテムをすぐ取り出せるし、新たな生産ラインの稼働による急な需要のスパイクに対応しやすい。
  • 処理が高速。これはレシピ登録と比較したときの利点。1つの生産ラインが特定のアイテムを処理し続けるため、平均した生産速度が速い。

数量管理の欠点

  • システムがそのレシピを認識しない。自動クラフトの連鎖がその時点で途切れてしまう。
    • 例:
      • 木炭を数量管理で100個作り置きしている。
      • たいまつをレシピ登録している。
      • ここでたいまつが1000個必要になった。
      • たいまつのレシピから、木炭は250個必要になる。
      • →システムは「木炭が100個ある」ことだけ知っていて、「木炭の作り方」は知らない。
      • →システムは材料が足りないと考え、注文を拒否してくる。
        • これは木炭がレシピ登録されていれば起こらない問題

このように、レシピ登録、数量管理にはそれぞれ特有の利点と欠点があり、お互いがお互いの欠点を補いあうような構造をしている。よって、どちらか一方だけを使うのではなく、これらを工夫して組み合わせることが、上手な在庫管理、自動クラフトのためのコツである。

次節以降で応用を3つ紹介する。これらは、レシピ登録、数量管理のそれぞれの利点を組み合わせ、いいとこどりをするための方法だ。これらの方法の中にもそれぞれ有利な点・不利な点があるのでそれも解説していく。

 

とはいえ、AE2での自動クラフトで最も重要な点は「自動クラフトの連鎖」にあるわけで、レシピ登録だけでも大抵のことは達成できる

ただ、Omnifactoryという環境が修羅であることには注意してほしい。ここは大量生産・大量消費の世界である。Gregの電子回路などの重要な素材は、本当に湯水のように消費する。最終的には平気で数十万個の上位回路を溶かしたりするようになる。そんな状況下で、レシピ登録だけで自動化を済ませるとどうなるか?突然大量の回路が必要になる。在庫は0個だ。注文が始まってAssembling Machineが猛稼働を始める。数万個完成するまで、延々と機械は動き続ける。その間、自分がその他のマシンを作るための余分な回路は全く倉庫に残らない... 

この問題は、回路が注文されていないときでもAssembling Machineを稼働させ、大量のストックを作っておくようにすれば解決することができる。レシピ登録だけで解説を終わりにしないのは、Omnifactoryなどのゴリゴリ工業MODpackで異常な大量生産・大量消費が必要になったときに、もっとスマートで時間をかけない方法があるということを紹介するためである。アイテムをちょっとずつ作ってMODの要素をサラッと楽しむだけなら、レシピ登録で十分だ。

 

応用その1:倍プッシュ

前節で自動化の方法2つを紹介してきた。レシピ登録は自動クラフトの連鎖を可能にしてくれ、プレイヤーをクラフト地獄から解放してくれる。数量管理は在庫を常に確保してくれ、急に必要になったアイテムもすぐに使うことができる。

これらは互いに互いの欠点を補いあうような構造をしている。

・・・だったら、こいつらを並べれば最強じゃないか?

というのが本節で紹介する方法である。

 

具体的には、一つのアイテムを作る工程を2つ作る。一方はレシピ登録型、一方は数量管理型にする。

(例)木炭を作るために、かまどを2つ設置する。一方にはME Interfaceを繋げてレシピをセットし、もう一方にはLevel Emitter(もしくはDrawer)による数量管理機構をつける。すると、レシピをシステムが認識するとともに、常に木炭をいくらかストックしておける。

倍プッシュの利点

  • 加工速度が速い。各アイテムに専用の生産ラインが動くので常に機械のポテンシャルが最大限引き出される。加えて、アイテムが大量に必要になったときには、レシピ登録型と数量管理型の両方が同時に稼働するため、倍速生産になる。 
  • 負荷が少ない。注文がない間は数量管理機構によりストックが溜められていくため、ME倉庫によるレシピ連鎖の計算を経由しない。この計算はゲームにかかる負荷のかなり大きい割合を占めるので、レシピ計算をあまりしない=軽い、という図式が成り立つ。

倍プッシュの欠点

  • 設置の手間がかかる。一つのアイテムの生産のために、二倍の生産ラインを整備する必要があるわけで、設置が大変である。それに、二つの生産ラインでそれぞれ機構が違う(PatternとLevel Emitter)のでただ複製すればいいわけでもない。
  • スペースを圧迫する。これも生産ラインを二つ設置する必要があるために生じる問題で、拠点のスペースを大きく占有する。

これらの欠点から、単純で頑健性の高い方法ではあるものの、あまりスマートとはいえないかもしれない。ただ、設置するのに多少時間がかかってもいいし、拠点は十分に広くとっている、というプレイヤーには十分に採用に値する手法だと思う。

 

応用その2:ME Interfaceにストック

本節で紹介する方法では、生産ライン自体はレシピ登録型のものしか設置しない。レシピ登録型のものは必須である。これは自動クラフトの連鎖を確保するために絶対に欠かしてはならない。ただ、数量管理の部分は、別の機構で代用することができる。

 

具体的にどうやるか、説明していく。

ME Interfaceにはアイテムを置いておくスロットが複数あることはご存じだろうか。このスロット、何も設定していないときは、置いたアイテムをすべて一瞬でME倉庫内に取り込むようになっている。ただ、アイテムを持ってスロットの上の矢印の部分をクリックすると、指定したアイテムが指定した量だけME倉庫から取り出され、ME Interface内のそのスロットにストックしてくれるようになる。

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アイテムをストックしたME Interface。

ME Interfaceは、普通であれば、ME倉庫内にないアイテムはストックしてくれない。ただ、ME InterfaceにCrafting Cardというカードをセットすると、足りないアイテムがもしレシピ登録されていたアイテムだった場合、わざわざ自動クラフトしてまでストックしてくれるようになる。

あとは最後のステップ。ME Interfaceにストックされたアイテムは、倉庫内のアイテムとして認識されない。これを認識し、倉庫に組み込むために、そのME InterfaceにME Storage Busを取り付ける。(ME Storage Busは、取り付けた先のインベントリをME倉庫が認識できるようにするアイテム。これを使ってチェストなどをMEシステムに一体化できる)

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ME Interface + Storage Bus の図。

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右上のスロットにCrafting CardをセットしたME Interface。ついでに左のHide on Interface Terminalを設定するとInterface Terminalに表示されなくなるのでレシピ登録の邪魔をしない。

 

ME Interfaceにストックの利点

  • 生産ラインが一つでいい。これは倍プッシュと比較したときの利点。スペースを圧迫しないし、手間がかからない。また、一つのME Interfaceで複数種類のアイテムをストックしておくことができる。

ME Interfaceにストックの欠点

  • ストックできるアイテムの量が少ない。一つのME Interfaceにつき、スロットは9個しかない。したがって、一つのME Interfaceにつき9スタックまでのアイテムしかストックしておけない。1スタック64個のアイテムなら576個である。これはOmnifactoryでは少し不安な量かもしれない。
  • Crafting CPUを多く使ってしまう。レシピに従って自動クラフトが行われるとき、設置しているCrafting CPUが使われるわけだが、ME InterfaceのスロットがCrafting Cardによって補充されるときに、スロットごとにCPUが使われてしまうという問題がある。このため、最大で9ユニットのCPUが1つのInterfaceの補充のために占拠されてしまう。

この方法の最も大きな欠点は、ストック量が少ないという点である。逆に言えば、突然必要になる量がそれほど多くない中間素材などであれば、この方法によるストックは簡単に整備できる割に有効に働くだろう。

Omnifactoryでの利用例を挙げるならば、Silicon Bouleだろうか。主に電子回路のパーツになるSilicon Bouleであるが、1つのBouleをCutting Machineでカットすると大量のWaferが得られ、それを加工してカットするとさらに大量の回路パーツが得られる。よってBoule自体のストック必要量はそれほど多くなく、1スタックもあれば十分である。よってME Interfaceにストックするのは有効だ。

 

応用その3:チェストなどにストック 

応用その2と考え方は同じ。レシピ登録型の生産ラインだけ用意し、ストックを別の機構で確保するようにする。

ただ、応用その2と違うのはストックを保管する先を、ME Interface以外のものにする点である。例えばバニラのチェストやStorage Drawersのドロワー倉庫にする。こうすることでストック量を劇的に上げることができる。

 

具体的にどうやるか説明していく。

ME Export Busは、繋げた先のチェストなどのストレージに、指定したアイテムを搬出するアイテムだ。基本の考え方は、チェストにExport BusとStorage Busをそれぞれ接続し、ストックしたいアイテムを搬出して、それをシステムに認識させるというものだ。Export Busにはストックしたいアイテムを登録する。Export BusにもCrafting Cardをセットすることができるので、やはりセットする。

この時点では、まだうまくいかない。なぜか?それは、Export Busで搬出したアイテムはチェストの中でStorage Busを通してシステムに認識され、またExport Busで搬出される、という無限ループに陥ってしまい、アイテムが新しくクラフトされないためだ。

これを解決できる設定がある。Crafting CardをセットしたExport Busの設定画面の左に、トンカチのマークがついたボタンがあると思う。そこをクリックしてcraft onlyの設定にする。こうすると、Export Busで搬出するのに在庫は全く使われず、自動クラフトで作成したアイテムのみ搬出されるようになる。

以上の設定で、チェストに大量のアイテムをストックしつつ、それを在庫として認識できるようになる。

 

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Drawer + Export Bus + Storage Busの図。

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Storage Busの設定。左の上から3番目のボタンをExtract Onlyに指定すれば、アイテムの引き出しのみ行われるようになる。(ネットワークの軽量化にも寄与しそう)

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Export Busの設定。Crafting Cardを入れつつ左のボタンをDo not use stocked itemsに指定。種類を増やしたければCapacity Cardをセット、速度を上げたければAcceleration Cardをセットするとよい。


複数のDrawerを並べ、それにくっつけたDrawer ControllerにExport Bus, Storage Busを取り付けると、大量のストックを複数種類同時に確保できる。OmnifactoryにはこのMODは入っているし、作成コストはとても安い。

 

チェストなどにストックの利点

  • 大量のアイテムをストックできる。1000,10000単位のアイテムすら平気でストックできる。

チェストなどにストックの欠点

  • 設定がやや手間。細かいことをいうと、ME倉庫がチェスト内に勝手に他のアイテムを貯蔵してしまわないようにStorage BusをExtract Onlyに設定してやる必要があったりする。他にも、Drawerに複数種のアイテムを同時に保管するなら、一つのアイテムが溢れないように注意する必要がある。

 

私としては、この方法が総合的に見て最も優れていると思う。倍プッシュほど設置に手間はかからないし、ストック量はストック先のストレージの限界まで増やせる。

(2022.4.12追記) 現在では意見が少々変わっている。負荷が問題にならない規模の生産ラインで、手軽にアイテムをストックしたい需要に対してはこの方法が、生産規模が巨大になり、負荷を軽減する必要がある際には応用その1の方が優れている(というか、それ以外に選択する余地がない)と考えている。負荷軽減についてはPart4も参照。

私のワールドでは、6種のGreg電子回路をすべてこの方法で大量ストック&レシピ登録した。ドロワー倉庫で6個以上のアイテムスロットを確保し、そこにExport BusとStorage Busを取り付けて機構を構築したのだ。それぞれ10000個以上が常にストックされている状況で、めったに不足することはなかった。

Export Busは重いからあまり使うなとよく言われるが、この方法で使うExport Busの数は少なく、巨大になるであろうMEシステム全体でみれば誤差程度なので気にしなくてよい。

 

自動化・在庫管理の解説章はこれで終わりである。紹介してきた3種類の応用在庫管理を利用しつつ、その時々、アイテムごとの事情に合わせた合理的な解決策を探してほしい。その過程は何より楽しいものだと個人的には思っている。

 

液体クラフトの自動化

OmnifactoryはGregtechを根幹とするMODpackで、そのGregには大量の「液体を使うレシピ」が登場する。例えば、Assembling Machineで電子回路を1回作成するために、液体のTinが144mB充填されている必要がある。アイテムだけを扱えばよい通常の自動クラフトとは勝手が異なるのだ。

この液体クラフトだが、どうやらLogistics Pipesを使うとレシピの材料として液体も指定できるらしい。この点はLPの方が優れている面だろう。その一方、AE2では残念ながら、レシピの材料として液体を指定することはできない。(液体の貯蔵はできるんだから、それをクラフトに使えてもいいんじゃと思うが・・・)ということで、AE2一本でやっていくなら工夫が必要になる。

これからその工夫を2種類紹介していく。これらはどちらもレシピ登録型の方法であり、前章で紹介した応用2、応用3も基本的に可能である。2つの方法の違いはレシピの内容、液体の供給方法の違いにある。

ちなみに、Omnifactoryは、最終盤になると液体を無限化するタンクであるCreative Tankがいくらでも使えるようになるので面倒から解放される。それまでは工夫を駆使して上手に粘ろう。厳密なクラフトができないことが我慢ならない場合は、LPを使うことも検討してほしい(LPについて詳しく知らないので、責任は持てない)。

液体クラフトその1:液体フル充填

作成したいアイテムに必要な液体を、マシンが一杯になるまで常に供給し続ける方法。

レシピに登録する材料はアイテムだけなので、システムはその液体が材料になっていることを認識しない。

  • (例)Lapis DustをAutoclaveで加工してLapis Lazuriにしたいとする。Autoclaveは水でいっぱいにしておく。登録するレシピは【(材料:Lapis Dust1個)(成果物:Lapis Lazuri1個)】にする。こうするとLapis Lazuriを注文したとき、Dustが水でいっぱいのAutoclaveに搬出され、加工される。

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    水を無限供給したAutoclave。

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    実際には水も消費しているが、それを無視したLapis Lazuriのレシピ。

この方法が使えるのは、材料の液体が十分な量供給できるときに限られる。材料の液体が枯渇した状況を考えてほしい。その状態で自動クラフトが注文されると、システムは液体を材料だと認識していないため、クラフト可能だと思い込み、実際には終わらない自動クラフトを始めてしまう。

例えば水を必要とするレシピなんかは、ノーコストで水を無限供給できるのでこの方法が適している。逆に、Tinを使う電子回路のレシピなどは、Tinの数が十分に確保できていない段階ではこの方式は不確実である。

 

液体クラフトその2:現地で液体化

便利なことに、GregにはFluid SolidifierとFluid Extractorというマシンがある。それぞれ、液体をアイテム化・アイテムを液体化するマシンだ。液体ーアイテム間を行き来できるのは主に金属インゴットが中心だが、他にもグロウストーンなどが対応している。

そして、これはGregのせめてものプレイヤーへの思いやりだと思うが、液体クラフトで必要な液体の量は、固体で換算するとたいてい1インゴットとかのキリがいい量なのだ。

これらのおかげで可能なのがこの方法である。

  • (例)Refined Circuitを4個作成するレシピにはTinが144mB必要だが、144mBはちょうどインゴット1個を溶かした液体量である。よって、レシピには【(材料:Tin Ingot1個とその他材料)(成果物:refined circuit4個)】と登録する。Assembling Machineを設置し、Fluid Extractorから液体を搬入するよう設定する。チェストに隣接させたME Interfaceにレシピをセットし、チェストからFluid ExtractorとAssembling Machineの両方にアイテム導管を繋げる。フィルターをかけ、Tin IngotのみExtractorに、その他のアイテムはAssembling Machineに送るように設定する。こうすると、注文したときにチェストに材料が全部搬出されるわけだが、Tin IngotのみExtractorへ移動し、そこで液体化され、Assembling Machineに必要な量の液体がちょうど充填されるわけである。

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    Tin Ingotを加えた回路のレシピ。

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    回路製造ラインの一例。ME Interfaceを接続したチェストから、Fluid ExtractorにはTinを、Assemblerにはそれ以外を搬出する。

この方法が使えるのは、材料の液体が固体化できるときに限られる。液体をよく要求されるTinやSoldering Alloyなどの金属、シートとして固体化できるPolyethyleneやPolyvinyl Chlorideなどのプラスチックはこの方法に適している。

この条件さえ満たしていれば、材料が潤沢でなくとも必要量だけ液体化・クラフトできるので、貯蔵量がそれほど多くなくても困らない。

それに、システムがレシピに必要な材料を正確に認識してくれるので、自動クラフトの連鎖の途中でトラブルが発生することがない。これは方法その1にはない重要な利点といえよう。

 

以上で紹介してきた2つの方法を使い分ければ、ほとんどの液体クラフトは不自由なく自動化することができる。

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ただし、Omnifactoryでは例外が一つある。それはRaw Carbon Fibersの作成だ。何が問題かというと、

  • 液体の材料であるPalladiumは希少なので、液体フル充填ができない。
  • レシピ1回分で消費するPalladiumがわずか1mBなので、消費量を正確に合わせたレシピを作れない。(Carbon Dust144個に対しPalladium Ingot1個というレシピにしようとしても、成果物のRaw Carbon Fibersは288個で3スタックを上回りAE2のレシピ登録の限界を超える)

これらの原因のせいで、どちらの方法も完全な形では実行しえない。ただ、救いは、OmnifactoryにおけるPalladiumの使い道がほとんどこれ一つしかないことである。もう一つの使い道はMote of Omniumという終盤のアイテムの原材料としてだが、必要量はそれほど多くはない。

この性質を踏まえると、最も合理的なやり方は、ME Level Emitterを用いて数百個ほどのPalladiumをME倉庫内に残しつつ、残りはすべて液体化してRaw Carbon Fibers用に使ってしまい、Raw Carbon Fibersのレシピの材料にはCarbon Dustのみ登録してしまうことだろう。もちろん、Palladiumが一定量を下回ってもシステムは気づいてくれないため、自分で採掘しに行って補充しなおす必要はある。とはいえ消費量はそれほど多くないので、あまり心配し過ぎることもないだろう。

コメントで指摘を頂いたので訂正。Raw Carbon FibersもPalladiumをNuggetで管理すれば厳密なレシピ化が可能だ。レシピは【(材料:Carbon Dust16個とPalladium Nugget1個)(成果物:Raw Carbon Fibers32個)】という感じになるだろうか。

...ということは、液体フル充填も現地液体化も通用しないレシピはOmnifactoryにはないかもしれない。朗報。

 

おまけ:AE2小ネタ・お役立ち情報

チャンネル無しAE2は重い(パッチで対処可能)

AE2では通常、チャンネルというシステムが有効になっている。これは一つのケーブルにいくつもの機器を接続することを制限するもので、設計の難易度を上げるだけでなく、ネットワークが重くなりすぎることを防ぐ役割も果たしている。チャンネルを無効にするオプションもあるが、そのモードは開発陣いわく最適化されておらず、重くなりやすいらしい。

Omnifactoryでもチャンネルは無効になっているので、ゲームを進めるほどにME倉庫は激重になっていく。私の場合、MEケーブルを伸ばそうとしたとき、手に持って右クリックしてから実際に設置されるまで10秒ほどかかったこともある。

ただ、ありがたいことに、Omnifactoryコミュニティの有志がこのチャンネル無しAE2の動作を劇的に軽くしてくれるパッチを配布している!以下のリンク先にアクセスしてほしい。Talcha's AE2 fixという項目の指示にしたがってAE2のファイルを置き換えれば、AE2のネットワーク更新の重さに困ることなく遊べるようになるだろう。

github.com

 

ME Import Bus/ME Export BusはME Interfaceに置き換えるべし

これらのBusはゲームが重くなる原因であることが知られている。10個とか置く程度であれば問題はないが、生産ラインの一つ一つに使っていたりすると危険なことになる。これらの機能はME Interfaceとアイテム導管の組み合わせで代用でき、こちらはとても動作が軽い(+こちらの方が搬出入速度が高い)のでぜひ乗り換えよう。

例えば、チェストにつなげたImport Busを置き換えるなら、チェストからME Interfaceにアイテム導管を繋げればOKである。ME Interfaceのスロットに置かれたアイテムは一瞬でME倉庫に取り込まれる。

チェストにつなげたExport Busを置き換えるなら、望みのアイテムをストックしたME Interfaceからチェストにアイテム導管を繋げればOKである。ME Interfaceのスロットにストックしたアイテムは、不足すると一瞬で補充される。

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Import Busの置き換え。Export Busの場合はME Interfaceに望みのアイテムをストックしつつ導管を逆向きに。

あと、レシピを置いていないME InterfaceがME Interface Terminalに大量に表示されると邪魔だと思うので、これら搬出入用のInterfaceは画面左上のボタンを押して"hide on interface terminal"を設定するとよい。

 

Drawerに付けるVoid Upgradeの使い道

Drawerが一杯になってアイテムが詰まる、という現象は、数量管理に応用できるという良い側面も持つ一方で問題もある。例えば、Snad+Timer+オブザーバー+ピストンで超大量生産したサトウキビをDrawerに保管する場合、Drawerがひとたび詰まってしまうとアイテム化したサトウキビが回収されなくなり、ゲームが非常に重くなる可能性がある。こういった、Drawerが一杯になっても詰まってほしくない場面ではVoid UpgradeをDrawerに付けるとよい。余った分のサトウキビはすべて虚空に消える。もちろん、消えてほしくないアイテムなら使うべきでない。

 

リンク

解説 Part3(中終盤、生産ラインの配置について)

trthff.hatenablog.com