思念の滝壺

山に登る。

ジャンダルム・大キレット・表銀座 連続縦走3泊4日 ②北穂高岳~槍ヶ岳~西岳~燕岳~中房温泉

前編はこちら

trthff.hatenablog.com

 

はじめに

北アルプスの名ルート3本をテント泊で繋ぐ3泊4日縦走、後半の記録。

 

3日目は大キレットを踏破して槍ヶ岳へ登頂、4日目は表銀座ルートを縦走して燕岳を目指す。

行程図

 

 

山行録

3日目:大キレットを越え、槍ヶ岳へ会いに行く

前日はハードな西穂高岳~奥穂高岳岩稜踏破だったが、北穂高テント場で十分に眠れたおかげで残りの縦走をこなすための体力は復活。

 

3時に起床し、空が明るくなる直前の4時にテント場を出発した。いよいよ北穂高岳と南岳の間に伸びる切れ落ちた大稜線、大キレットへ挑戦するときだ。

早朝からさっそく今日の行程の核心部に挑むわけである。逆に、大キレットを突破して南岳に到達さえしてしまえば、そこから先に槍ヶ岳への登頂を阻む困難はない。

4:00 北穂高テント場出発

大キレットを越えて槍ヶ岳を目指す

難易度は西穂高岳~奥穂高岳に比べれば低いと言われているものの、ミスが命とりな険しい岩稜が続くことに変わりはない。前日の疲労も考慮して、気を引き締めて取り掛かろう。

 

出発してみると、この日の天気はガス多め。北穂高岳山頂からの下りでさっそく鎖場を伴う急下降が連続して出現するものの、視界がないので高度感がなく、恐怖が軽減されているのはむしろありがたいかも。

ガスの中で急下り

臆せず行こう

時折垣間見える涸沢カールははるか下にあり、稜線のダイナミックさの片鱗を感じさせる。

 

ライチョウ第一号も発見!幸先の良いスタートだ。

ライチョウ第一号

下りも落ち着いてきたタイミングで、大キレットの中でも屈指の難所だと言われる「飛騨泣き」が出現。飛騨側(写真の左側)に落ちたら助からないためこの名前だとか。

飛騨泣き

切り立った岩の側面に鎖が一本這わせてあり、足の置き場はかなり少なめ。途中にいくつか人工のステップが打ち込んであるため、それらを有効活用すべし。

教えられるまでもなく地名は分かる

稜線通しに鎖をたどった先では2m近い垂直段差が出現。鎖と途中のステップ一本を頼りに下る必要があり、姿勢の移し方や足の置き場に難儀した。

試行錯誤の後に一度座り込んで冷静になり、再チャレンジで突破。瞬間的な怖さではこの山行で一番だったかもしれない。

垂直段差を振り返って

飛騨泣きを越えた先もわずかに下りが続いた末、A沢のコルに到着。ここが北穂高岳と長谷川ピークを結ぶ鞍部だ。

長谷川ピーク

次なるピークである長谷川ピークに向けての上りも非常に険しく、ペイントに忠実に痩せた岩稜をたどる道のりが続いた。

険しい上り

 

長谷川ピーク

 

長谷川ピーク以降は目立った中間ピークはなく、ぐっと標高を下げて大キレットの最低鞍部に到達した後に一気に南岳に乗り上げる。

今思えば、序盤にクリアした北穂高岳から長谷川ピークにかけての下り→上りが大キレットで最も難しい区間だったらしい。長谷川ピークの先では恐怖を感じるような箇所はなく、相変わらず注意を要する稜線こそ続くものの難易度では一段下がったような感触があった。

 

最低鞍部からは厚く垂れこめる雲をくぐるように常念岳の優美な曲線が覗く。やはり常念岳は美しい!

最低鞍部と常念岳

 

最低鞍部からの上りは、落ちたらまずい断崖のような箇所は少なく、梯子や鎖を駆使して一気に標高を上げるダイナミックな区間が続いた。アスレチック的な楽しさがあり、岩稜ルートの最後で緊張感から解放されたのはありがたかった。

梯子で一気に

ダイナミックに登る

そしてついに大キレットをクリア、南岳小屋へ到着!

6:40 南岳小屋

南岳小屋

南岳小屋を境に景色は一変。大キレットの険しさが夢だったかのように稜線は広く平坦になり、滑落の危険とは縁がない安全な世界に。緊張は緩み、気楽に縦走を楽しめる雰囲気が戻ってきた。

 

小屋から緩やかな上りを経て南岳へ登頂。

南岳

植物にも優しい環境ということで、さっそくチングルマやイワギキョウも。

チングルマ

イワギキョウ

中岳を経て大喰岳へ

ライチョウのつがいにも遭遇。雄が砂浴びしているようで、盛んに翼を振りながら道を掘り返していた。

ライチョウ夫婦

 

槍ヶ岳に近づくにつれてガスが少しずつ引き始め、槍沢の雄大な広がりが視界に入る。

東鎌尾根と殺生ヒュッテ

槍ヶ岳は近い

稜線終盤の上りを経て、ようやく槍ヶ岳山荘へ到着した。

槍ヶ岳山荘

さっそく山荘へ荷物をデポ、ヘルメットを被って槍の穂先へ向かう。一度通ったことがある道のりなので慣れもあり、楽しい岩登りだ。

山頂アタック中、ちょうど槍ヶ岳山荘のスタッフが山頂直下の二連続梯子を補修していた。整備ありがとうございます。

槍の穂先へ

山頂直下の梯子

そして槍ヶ岳へ登頂!

9:10 槍ヶ岳登頂

真っ白背景

山頂ではあいにくガスで真っ白だったが、同じタイミングで登ってきた外国人の子どもが英語で楽しそうにはしゃいでいるのを聞いているとこちらも嬉しい気分になってきた。

この狭い山頂に梯子をよじ登って到達する体験は刺激的に違いない。子どものうちに経験できるならなおさら記憶に刻まれそう。

 

当面ガスが取れる気配がなかったので早めに穂先を下りたのだが、槍ヶ岳山荘で休憩していると穂先が姿を見せ始めた!

見えた穂先

大縦走のちょうど中間地点にある槍ヶ岳、きちんと山頂を拝めたのは幸いだった。これで未練なく次の稜線へ移れそうだ。

 

真夏でも大きな雪渓をたたえる大喰岳を振り返りながら、東鎌尾根をたどって槍ヶ岳を下っていった。

大喰岳

今日の宿泊地点である西岳までの道のりは、まず東鎌尾根を一気に下りて水俣乗越を通過、そこから300mほどの急登を経て西岳へ乗り上げるといった感じ。

 

東鎌尾根は梯子や階段が多数出現する急斜面であり、滑落には注意が必要。ここまでの疲れも加味して慎重に足を運んだ。

東鎌尾根を行く

ライチョウ第三号

 

そして正午を回ったころ、3日目のゴールである西岳へ到着するのだった。

12:10 西岳到着

ヒュッテ西岳

 

さっそく受付を経てテント設営へ向かう。

今回初めて利用した西岳のテント場だが、ここはロケーションが最高だ。

ヒュッテ西岳からやや離れた稜線上に、遮るものない平坦な砂礫が広がり、張る場所は選び放題。西には槍・穂高連峰、東には常念山脈が間近に望める位置にあるため、晴れたときには大展望が楽しめるに違いなかった。明日の天気予報は晴れ、朝の景色が今から楽しみだ。

展望の良い稜線にテントを設営

ヒュッテ西岳との位置関係

ヒュッテ西岳では昼ご飯をいただく。軽食メニュー5品の中から選べる。

腹も減っていたし値段も山小屋にしてはお手頃だったので、欲張って2品いただくことに。鮭茶漬けが900円、サバサンドが700円。どちらも疲労の中でも食が進むいいメニューだった。

鮭茶漬け

サバサンド

ガスっている中でも時折天頂から太陽が顔を出し、日中はテント内部が灼熱に。外の岩に座ってくつろいだ午後を過ごし、日の出の景色に期待を込めて宿泊するのだった。

 

4日目:表銀座縦走で充実の締めくくり

最終日の4日目は「表銀座」、すなわち槍ヶ岳と燕岳を結ぶ人気縦走路を通って燕岳を目指す。アップダウンは少なく危険な区間もないと聞くので、リラックスした気楽な稜線歩きで縦走を締めくくれそうだ。

 

下山までのコースタイムは短めなので、暗い早朝に行動する必要もない。3時半に起き出し、朝食をとりながら明るくなっていく空を眺めていた。

 

天気は昨日と打って変わり見事な晴れ、赤らむ地平線に常念岳のシルエットが浮かび上がる!

夜明け前の常念岳

そして、振り返ると槍・穂高連峰の全景がそこに!

この稜線をはるばる歩いてきたのかと思うと感慨深い。そして、大キレットがいかに深く切れ込んでいるかもよく分かる。

槍・穂高

マイテントと穂高岳で記念撮影。雲海もあいまって素晴らしい眺め。

 

しばらく見入っていると、常念岳の左からご来光が。

ご来光

燃え上がるような朝焼けに包まれる連峰。

 

西岳テント場を宿泊地に選んで本当に良かった。最高の景色に見送られてテントを撤収、ぼちぼち大天井岳へ向けて歩き始めた。

5:00 西岳出発

 

表銀座縦走路の前半は大天井岳へ向けた稜線歩き。

眼前に膨大なボリュームを持った大天井岳が立ちはだかり迫力満点。朝日が後光のごとく差してさらに威厳を増している。

大天井岳へ向かう稜線

大天井から南へ連なる常念山脈

見た目からもわかるようにそれほど高低差の大きい稜線ではないのだが、前々日・前日と難しい岩稜歩きを続けてきたことで疲労が溜まり気味。

心拍がいつもより上がりやすくなっており、スローペース気味に大天井ヒュッテまで登り詰めた。

大天井ヒュッテ

大天井岳山頂へ登るには山頂東側へ大回りしなければならず時間がかかる。今回は山頂をスルーして西側を巻くことに。その代わり、大天井ヒュッテから10分ほどで登れる牛首展望台へ寄っていった。

以前も一度寄った展望台だが、相変わらず槍・穂高が一望できる絶好のスポットだ。大天井岳の眺めもここがベストかもしれない。

牛首展望台

牛首展望台から望む大天井岳

大天井ヒュッテへ戻った後は、巻き道を通って大天井岳を左に抜ける。

山頂を左に巻く

そして、大天井岳を抜けた先に現れた稜線こそが表銀座の真骨頂だった。

表銀座後半戦

 

稜線はどこまでも穏やかに伸びて登山者を優しく導き、ハイマツが覆う山肌を縫うように露出する砂礫が新鮮なコントラストを見せている。

穏やかな稜線

 

砂礫のところどころにコマクサも咲いており、可憐な姿に癒される。前日までが試練の道のりだっただけに、雰囲気のまるで異なる平和な世界に放り込まれて不思議な気分。

疲労の蓄積した縦走終盤のため、アップダウンがほとんどないという稜線の特徴にも大いに助けられた。

コマクサ

燕岳へ近づくにつれ、その特徴である花崗岩が次第に出現し始める。

 

景色を楽しんでいるとあっという間に燕山荘へ到着。予約がなかなか取れないと聞く大人気の山小屋だ。今回はコーラを買わせてもらって糖分補給した。

燕山荘

下山路である合戦尾根は燕山荘が始点になっているため、荷物はここにデポできる。燕岳までは空身でピストンできるわけだ。

低下していたペースも身軽になったことで復活。スキップでもするような気分で燕岳へ向かった。

いざ燕岳へ

コマクサ群落

稜線から眺めた燕岳は花崗岩と砂礫とハイマツが入り混じり、南アルプスの鳳凰山を思い出すような美しい山容だった。

燕岳

ただし、鳳凰山が静的な日本庭園を想起させる一方で、燕岳はもうすこし動きを感じさせる。花崗岩、砂礫、ハイマツ、すべての輪郭が右上から左下に流れていくような形で統一感を持っていることがそう感じる一因かもしれない。

 

山頂に近づくほどに白さを増していく道を歩み、燕岳へついに登頂!

これをもって縦走の全目標ピークを踏破したのだった。

9:20 燕岳登頂

増していく白さ

燕岳登頂
先には北燕岳

 

燕山荘へ帰還してからはデポした荷物を再び背負い、下山へ移った。

下山に使う合戦尾根は北アルプス三大急登の一つ、らしいのだが、それほど急勾配な印象は受けなかった。そもそも下りで使ったのもあるし、砂礫メインでよく整備された道が非常に歩きやすく勾配の割に楽だったというのもあるだろう。

らくらく合戦尾根

中間地点の合戦小屋で名物のスイカをいただいて休憩を挟み、無事に中房温泉へ下山した。登山中に食べるみずみずしいスイカのうまいことうまいこと。染み渡る。

合戦小屋でスイカ

中房温泉へ下山
11:20 下山完了

中房温泉では登山口すぐ近くに日帰り温泉があり、登山者へ至れり尽くせりの環境。4日間の汚れを落とし、きれいさっぱりで帰宅するのだった。

日帰り温泉

 

ちなみに、今回下山に使った中房温泉だが、下山から4日後に県道中房線で土砂崩れが発生。橋が流出し、車でのアクセスが断たれてしまったそうだ。

燕岳への登山口として重要なだけに早期の復旧を祈りたいところだ。

news.yahoo.co.jp

 

おわりに

三者三様の魅力を持つ北アルプス屈指の名ルートを連続で味わった贅沢な縦走だった!前半は特に険しい岩稜が続いたが、集中力を切らさず、体力も温存できたことで無事に最後まで歩きぬき、変化に富む道のりを楽しめた。

ジャンダルム・大キレット・表銀座 連続縦走3泊4日 ①上高地~西穂高岳~奥穂高岳~北穂高岳

はじめに

8/1(土)から8/4(火)にかけて、北アルプスの名ルート3本をテント泊で繋ぐ縦走に挑戦してきた。

今回繋いだルートは以下の3つ。

  1. 西穂高岳~奥穂高岳の岩稜ルート「ジャンダルム」
  2. 穂高岳と槍ヶ岳を結ぶ切れ落ちた稜線「大キレット」
  3. 槍ヶ岳~燕岳の大人気縦走路「表銀座」

縦走路

ジャンダルム・大キレットという国内登山道でも最高峰の険しさを誇るルートを踏破しつつ、稜線を進むほどに多様な姿を見せる槍・穂高連峰を満喫した贅沢な山行となった。

 

本エントリはそんな大縦走の前編、1日目と2日目の様子をお届けする。

 

 

登山計画

ジャンダルム・大キレット・表銀座を繋ぐにあたり、最も難しいのはジャンダルム区間だ。

西穂高岳から奥穂高岳にかけて痩せた険しい岩稜が続き、垂直に近い登下降や浮石・落石に注意し続ける必要がある。それでいてコースタイムも10時間に及ぶ長丁場だ。前日は早めに行動を終えて宿泊し、早朝から西穂高岳に入った方が良いだろう。

 

ジャンダルムを突破することができれば、あとは大キレットと表銀座にそれぞれ1日ずつかけることで日程がピッタリ収まる。美しい計画の完成だ。

 

【1日目】夜行バスで早朝に上高地へ到着。西穂山荘まで上がって宿泊する。時間はかなり余るが、翌日のジャンダルム挑戦へ備える。

【2日目】ジャンダルムを踏破して西穂高岳から奥穂高岳へ。北穂高岳のテント場まで移動して宿泊。

【3日目】大キレットを通過して槍ヶ岳へ。東鎌尾根を下りて西岳のテント場で宿泊。

【4日目】表銀座を縦走して燕岳へ。合戦尾根から中房温泉へ下山。

 

さあ張り切っていこう。

 

山行録

1日目:西穂山荘で英気を養う

前日夜に高速バスさわやか信州号に乗り、朝5時に上高地へ到着。

さわやか信州号は今回も相変わらずの予約争奪戦ぶりで、予約開始から10分経った頃には既にグリーンカーの席が埋まっていた。幸い私は開始前からPCの前でスタンバイしていたため、無事席の確保に成功。

やはり睡眠時間を利用して現地に移動できるのは何物にも代えがたい価値がある。

 

上高地

初日は上高地から西穂山荘まで800mほど登るだけの行程なので急ぐ必要はない。むしろ時間が余って仕方がないので、道中をゆっくり楽しんでいくことにしよう。上高地は涼しく、半袖で散歩するのに最高に丁度良い気候だ。


朝日に照らされた上高地の景色を堪能する。

ここから見上げる奥穂高岳・前穂高岳はいつ見ても見事だ。梓川と湿地に彩られた風光明媚な山麓とはまるで対照的な険しい岩稜が天高く立ち上がる。

穂高の威容

西穂高岳から奥穂高岳へかけてのいっそう切り立った稜線も視界に入ってくる。明日はここへ挑むと思うとワクワクするな。

西穂~奥穂~前穂~明神

明神岳と朝日

川沿いを西へ辿り、田代橋を渡って対岸へ。

ゲートをくぐると西穂高岳登山道が始まる。

 

この登山道は登り一辺倒で傾斜は強めだが、樹林帯を貫く道は終始よく整備されていて登りやすく、辛さは感じない。

樹林帯を行く

水場(宝水) チョロチョロと出ている

6時に登り始めて西穂山荘に到着したのは7時半。急いでいるつもりはなかったが、多くの人がまだ寝ているような朝に今日の行程が終了するのだった。

西穂山荘

西穂山荘の正面と少し奥に行ったヘリポートにはそれぞれテント場がある。さっそく正面のスペースにテントを設営した。

今回もよろしく、エアライズ2

この西穂山荘、新穂高温泉側からロープウェイで手軽にアクセスできる立地から人気が高く、今日が土曜日であることも合わせて小屋・テント場ともに午前中から混雑が始まっていた。

13時を回るころにはテント場は空きがないほど埋め尽くされ、もはや1張も追加できないような有様。早めに行動終了するプランは正解だったようだ。

西穂山荘テント場、13時でこの有様

ガスが立ち込め、稜線の景色はあいにく拝めず。代わりとばかりに西穂らーめんを味わい、テントでゆる~く寝っ転がりながら明日の戦いへ備えるのだった。

西穂らーめん(味噌)

 

2日目:西穂~奥穂ルートへ挑戦

3:40 西穂山荘出発

前日はたっぷり睡眠できたこともあり、2時半には起床してテントをすぐに撤収、3時半には行動を開始した。

暗いうちに比較的安全な西穂高岳山頂までの道のりをクリアし、明るくなってきたタイミングでその先の岩稜地帯に挑む戦略だ。行く先の西穂独標には私よりも先に出発した人々の光列が連なり、同じ目標へ挑む者同士で奇妙な一体感を覚える。

西穂独標へ連なる光列

振り返ると月光にうっすらと照らされた雲海が。今日はガスもなくすこぶる天気が良さそう、絶好のコンディションでジャンダルムへ向かえそうだ!

焼岳も雲海から顔を出す

道中で森林限界を抜け登山道も土が岩に変わり始めるものの、稜線は相変わらず広く険しさはない。すぐに西穂独標を通過した。

4:30 西穂独標

西穂独標

次第に地平線が赤らみ、日の出の気配が近寄ってくる中を西穂高岳へ向かう。独標から先は険しさが一段階増し、この先の厳しさを予感させるような準備運動となった。

行く先にはさっそく奥穂高岳と前穂高岳、それらを結ぶ吊尾根が空に輪郭を描いている。奥穂高岳よ今行くぞ。

吊尾根

見下ろすと、ここまで辿ってきた尾根の先に焼岳・霞沢岳・乗鞍岳が。この角度からの眺めは新鮮だ。

上高地の山々

8峰
ピークごとに番号が振られる

ピラミッドピーク

険しさが増してきた

2峰を超えて
5:10 西穂高岳

それぞれのピークに名前の付いたアップダウンを抜け、ちょうど日の出を迎える頃合いに西穂高岳へ登頂した。

西穂高岳登頂
向こうには笠ヶ岳

西穂高岳登頂のタイミングで迎えた日の出。朝日は見事に吊尾根の間を昇り、奥穂高岳・前穂高岳を神々しく照らし出した。その裏には槍ヶ岳へ連なる稜線も姿を見せ、序盤にして槍・穂高連峰の全容を捉えることができた。

そして、行く先の稜線は見るからに断崖絶壁。ここを行くのか、気合が入ってきた...!

吊尾根に昇る朝日

左奥には槍ヶ岳

朝を迎えてヘッドライトは不要になったので収納。ここからはミスが許されない区間が続く。問題が起きたとしてもエスケープは基本的になく、選択肢は奥穂高岳へ抜け切るか、引き返すかだ。集中力を最大限に引き上げて山頂標識の先へ踏み込んだ。

矢印の先へ

 

最初に出迎えてくれたのはガレた岩場の急下り。

急下り

西穂~奥穂稜線に共通して言えることだが、全体的に岩が逆層気味で、しかも表面が滑らかなので滑りやすい。朝露による濡れも合わさり、面接触でグリップするのはかなり怖い状況だった。

代わりに段差や亀裂を積極的に利用し、登山靴を引っ掛けながら慎重に下っていく。浮き石が多いため、今から体重を掛けようとしている石が本当に安定しているのか、丁寧な見極めも不可欠だ。

 

下りを終え、緊張感で心拍数も上がっているが道のりは始まったばかり。集中を切らさずいくべし。

 

鎖場も早速現れる。スタンスの乏しい岩を鎖頼りで抜けた後に垂直に近い下降。


これ単独なら他の登山道でも出現しうるかもしれないが、西穂~奥穂の凄まじいのはこれが平常運転で、最初から最後に至るまで何度も襲い来るということ。これを確実にクリアし続けるためには、集中を維持する精神力とそれを支える体力が最も重要そうだ。

行く先の稜線も強烈

この世のものとは思えないような険しい稜線のアップダウンを一つ一つ超えるたび、最奥に聳える奥穂高岳が近づいてくる。緊張感半分、景色の美しさ半分で圧倒されっぱなしだ。

 

穏やかな笠ヶ岳の眺めは癒し

 

ピーク付近では例外的に稜線が広くなり、気が休まるタイミングもあるのは救いだ。

休憩区間、なお登り
6:10 間ノ岳

稜線のおよそ3分の1を進んだところで、中間ピークの間ノ岳へ到着した。まだまだ一日は始まったばかり、時間が不足するようなことはなさそうだ。

間ノ岳。山頂標識はなく、わずかなペイントのみ

間ノ岳から行く先を見やる

槍ヶ岳

ほっと一息ついて上高地を見下ろす。霞沢岳はやはり目を引く。新島々から徳本峠クラシックルート経由で登ってみたいものだが、あいにくクラシックルートは崩壊中。行くとしたら上高地からの往復になるだろう。

霞沢岳

休憩を済ませて再出発すると、相変わらず険しさを極めた道のりは続く。

赤丸に人がいるのがお分かりだろうか
あそこまで登る

辛うじてビバークできそうな鞍部を抜けた後、逆層スラブと呼ばれる有名な危険箇所が現れる。急斜面は板状の岩で構成されていてホールドが少なく、岩表面もツルツルでグリップが効きづらい。

辛うじて鎖が一本あるので体重の一部を預けることはできるが、途中でオーバーハング気味の箇所もあって乗り越えるのには力を要した。

逆層スラブ

上りでも若干怖さがあっただけに、これを下りで踏破するのは骨が折れそうだ。

逆層スラブを振り返る
下る方が大変そう

逆層スラブの先にもアップダウンはまだまだ続く。

正念場を乗り越えるために興奮気味のメンタリティなので、疲れるというよりはさあ次の岩場よ来い!といった気分。

何度目か分からない「ここを登るのか」

ビバークできそうなピーク

幾多の登下降を乗り越えて稜線も終盤にさしかかると、ついに西穂~奥穂間最大のランドマークであるジャンダルムが現れた!

左の丸みを帯びたピークがジャンダルム

 

実はジャンダルムは縦走路上にはなく、登頂せずに巻いて奥穂高岳へ直行することもできてしまう。しかし、ここまでの難路を踏破してきた身、記念としてあんな目立つピークに登らない選択肢はない。

ジャンダルムへの分岐は細いトラバースで怖さはあったが、迷いなく進んでいった。

ジャンダルムへ

ジャンダルム頂上へ向けた上りも急斜面ではあったが危険なほどではなく、つつがなく登頂!

8:15 ジャンダルム

ジャンダルム登頂

今まであらゆる角度から眺めてきた奥穂高岳だが、このジャンダルムの頂上から間近に見やる奥穂高岳こそが最も神々しく、最も格好良い姿だと確信した。何物をも寄せ付けない王者の風格がそこにはあった。

 

ジャンダルムの先へ進むともう一つの岩峰、ロバの耳が現れる。

ロバの耳

 

振り返ってロバの耳とジャンダルムが並んだ姿は、岩稜に彩られた峻険なこの縦走路を象徴している眺めだった。

ロバの耳&ジャンダルム

ルートはこう

 

ロバの耳の先ではついにルート最後の難所、馬の背が出現。両側が切れ落ちた細い岩を、乏しいスタンスを頼りに抜ける危険箇所だ。

馬の背

尖った岩の直上を真っすぐ抜ける

 

上りでは三点支持と重心に気を付ければ特に問題はなかったが、通過後に振り返ると怖さが増していた。

上りよりも下りが要注意なのは西穂~奥穂全体に言えることかもしれない。初挑戦を西穂から奥穂への上りにしたのは正解だった。

 

 

9:20 奥穂高岳

馬の背を突破したことで、ついに幾多連なった峻険な岩稜を全て制覇!奥穂高岳へ登頂した。

かつて一度到達した山頂ではあるが、ジャンダルムを抜けて拝む山頂の達成感は前回とは比べ物にならなかった。より困難なルートで山に登ることの意義がここにある!

 

踏破直前まできれいに見えていた奥穂高岳山頂だったが、登頂直後、私の緊張の糸が切れたのと呼応するかのようにガスり始めた。

振り返ったジャンダルムやロバの耳も既に目に焼き付いているし、ここまでに見たい景色を全て見ることができていたのは幸いだった。特に山頂に固執することもなく縦走へ移った。

 

どうやってこんな場所に建てたのか毎回疑問になる穂高岳山荘へと下りる。

穂高岳山荘へ

コーラ休憩
染み渡る

 

穂高岳山荘にもテント場があるため、ここで行動を終了して宿泊することも可能。

ただ、体力的には余裕があり、時刻もまだ10時前。まだまだ行動はできそうだったので、当初の計画通り北穂高岳のテント場を目指すことにした。

 

奥穂高岳から穂高岳山荘を挟んだ対岸には中間ピークの涸沢岳、その先に北穂高岳が控えている。涸沢岳~北穂高岳間の稜線は西穂~奥穂に負けないほどに切り立っていて急激な登下降が多く、全くもって油断ならない。

涸沢岳

涸沢岳から奥穂を振り返る

急峻な稜線

特に奥壁バンドはたちが悪い。断崖絶壁のトラバースで、瞬間的には逆層スラブや馬の背などよりも肝を冷やした。

奥壁バンドのトラバース

 

垣間見える稜線が最高に美しい

ペイントに忠実に従って
11:40 北穂高テント場

数多の難所を越えて11:40、ようやく今日の宿泊地である北穂テント場に到着するのだった。生きてるぞー!

北穂テント場

 

北穂高岳テント場は、涸沢から北穂高岳へ向けた尾根道の途中に位置する。階段状の広い岩場にところどころ整地された箇所があり、それぞれに番号が振られている。

事前登録の必要はなく、好きな場所に設営してから北穂高小屋へ向かえばOKだ。テント場と北穂高小屋の間にはかなり距離があり、何往復もするのは大変。一度の往復でできるだけ多くの用事を済ませるのが吉だろう。

ようやく休める

北穂高小屋

 

昼食には北穂高小屋のダモンカレーをいただく。その名の通りカルダモンなどスパイスが効いていて美味しい。

ダモンカレー

北穂高小屋で用事を済ませた後は自分のテントに戻り、kindleを読みつつゆったりと休んで明日の大キレットへ備えるのだった。今回の旅のお供はアンディ・ウィアー『火星の人』。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』があまりにも面白かったのでその流れで。

 

 

改めて今日の行程を振り返ると、稜線上では意識の半分程度を常に緊張感が占めていて景色を完全に楽しみきる余裕がなかったが、その困難も含めてたまらなく刺激的で楽しい道のりだった!そして、体力的には明日の大キレットにも問題なく挑める余裕を残せたのは成功だった。

 

山行で最も危険な核心は越えたが、まだまだ距離は長い。大キレット・表銀座もこの勢いのまま楽しむぞ~。

 

つづく

後編へ続く。

trthff.hatenablog.com

 

日本百名山制覇を数字で振り返る

はじめに

2022年8月の富士山から始まり、2026年7月に訪れた羅臼岳をもって制覇した日本百名山。その過程をいろいろな数字で振り返っていく。

一人の人間が百座の山に登る過程のデータというだけでも面白いし、これから百名山を目指すという人にもきっと参考になるはずだ。

 

データを見ていく上での前提として、私の登山における方針はこんな感じ。

  • 東京在住で、マイカーを持たず公共交通メイン。必要な時だけレンタカーとタクシーを利用。
  • 全てソロ山行で百名山を登り切った。
  • 宿泊は基本テント泊、テント場がないときは小屋泊。

 

それでは振り返っていこう。

 

 

総日数・総山行回数

移動日も含め、百名山に登るために費やした総日数は135日

多くの山は日帰り可能だし、縦走する場合でも1日1座は踏んでいけることが多いのでこういう数字に収束するようだ。

ただし、夜行バスや前日夜のレンタカー車中泊の分はこの総日数には含めていない。それも含めるともう少し膨らむはず。

 

そして、総山行回数(=登山の準備を済ませて家を出た回数)は74回。特に日本アルプスの山々については稜線上に連なっていて縦走で繋げていけることが多く、山行回数は少なめに収まった。北海道に至っては一週間レンタカーの旅で一気に5座登頂してしまったため、合計4回の遠征で制覇に成功している。

 

年ごとの登頂ペース

2022年以来、1年ごとの登頂数を表にまとめるとこんな感じ。

登頂数
2022 5
2023 18
2024 33
2025 37
2026 7

 

初年は登山始めたてということもあり少なめ。2年目から登山にすっかりはまり、頻度が劇的に増加。百名山が終盤に達する2025年まで年間登頂数は増え続けた。

大詰めの2026年は一気に減少。百名山以外の登山や次を見据えたバリエーションルート講習、本気度が上がり始めたマラソンなどにも時間を割いた結果、7月にようやく制覇といった傾向になっている。

 

日帰り・小屋泊・テント泊の割合

各座をどのようなスタイルで登ったかの内訳はこんな感じ。

スタイル 登頂数
日帰り 60
小屋泊 14
テント泊 26

※登山口近くの野営場で前泊/後泊した場合もテント泊に含む

 

この表からしても、ほとんどの山は日帰りで登れるものだと分かる。

小屋泊の回数が比較的少ないのはテント泊を優先する私の方針によるものだが、それでもテント場がない山域では必然的に小屋の世話になった。御嶽山頂の二ノ池ヒュッテや冬の霧ヶ峰で泊まったヒュッテみさやま、屋久島の避難小屋などが特に印象的だった。

 

新幹線・高速バス・レンタカー・タクシー・飛行機の利用回数

マイカーなしで百名山を登るには公共交通機関のフル活用は必要不可欠。それに加え、登山口へのアプローチが乏しい奥山にはレンタカーやタクシーが必須なことも多かった。それら交通手段をのべ何回使ったか数えてみる。

 

交通手段 利用回数
新幹線 48
高速バス 39
レンタカー 16
タクシー 11
飛行機 16

※往復で利用した場合は2カウント(レンタカーを除く)、山行で複数種類の交通機関を使った場合はそれぞれカウント

 

改めて振り返ると、東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線の利用回数が飛び抜けている。それだけ名山が東北・北陸・中部に多いことの証左だろう。

また、宿泊と移動を同時に兼ねられる夜行バスを頻繁に利用したことから、高速バスが次点になった。上高地や室堂など北アルプスの登山拠点への移動は高速バスが最も便利であるということも大きい。

集計前は、最初からマイカーを買っていた方が燃料代・維持費込みでも安くついていたよな...と思っていたのだが、こうして出た数字から概算してみると意外とどっこいどっこいだ。ノーマイカー百名山はアリなのかもしれない。

 

1日の最長行動時間

登山計画を立てるにあたって、コースタイムが15時間を超えるような行程はなるべく避け、安全をとって中間に宿泊地を設定している。その結果、1日あたりの行動時間はたいてい10時間以内に収まった。

とはいえ、10時間を超える山行もいつかは生じる。その中でも最長だったのは妙高山・火打山日帰り縦走の11時間5分だ。

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妙高高原駅からバスなどを使わず全て徒歩で妙高山まで登頂。その日のうちに火打山まで踏み、翌日が悪天候ということでテントを撤収してそのまま下山という選択が積み重なった結果、1日に全ての行程を詰め込んだ長丁場となった。

 

ちなみに、2位は大峯奥駈道3泊4日縦走最終日の10時間28分。ロングトレイルを歩き続けたラストスパートということもあり、しんどさではこちらが上回った。

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3位は南アルプス南部縦走2日目、上河内岳・聖岳を越えて百間洞山の家で宿泊した際の10時間1分。アルプスの縦走時はテント場の配置を考慮して特に慎重な計画を立てるため短めの行動になりやすいが、この日は特殊だった。南アルプス南部は1座1座が独立峰のように際立ち、小屋の間隔もそれに伴って広くなりがち。

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こうして振り返ってみると、自分の体力レベル的にはもっと1日の行動距離を長くしてもいいのかもしれない。まあでも、ヘロヘロになるよりは景色を楽しむ余裕を持っていたい。

 

1日の最大獲得標高

こちらもなんと妙高山・火打山日帰り縦走の2843m。

獲得標高2500mを越えてきた火打山アタックの終盤でもなぜか疲れを感じず、ただただ道のりを楽しんでいた記憶がある。悪路の急登などがなく、変に体力や筋力を消費せずにいけたことが良かったのかもしれない。

 

獲得標高2位は南アルプス南部縦走2日目の2623m。

 

ちなみに、百名山に限定しないなら、秦野駅からスタートして大山と塔ノ岳を一度に周回した狂気の山行が最大である。このときの獲得標高は2989m。行動時間8時間30分でこれをこなしているからなおさら異常さが際立っている。

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日本百名山を終えて

最初に登るべき百座をこれ以上ないほどにシンプルな形で指し示す日本百名山という存在は、右も左も分からなかった登山初心者時代の私を迷いなく導いてくれた。

むろん、過程をただのカウントにするわけにはいかない。稜線が美しい山はできるだけ縦走を、宿泊が楽しい山は宿泊を。一座一座の個性を味わい、楽しみ尽くすように登り、その記録もこうしてブログに残してきた。

そんな道のりの中で自然と、百名山に限らず興味の湧く山、歩きたいルートが数え切れないほどに湧き出してくる。雪山にも挑戦したいと思ったし実際に始めた。バリエーションルートにも足を踏み入れ始めている。いつしか、百名山というガイドに頼らずとも自分自身の意思と興味で道を拓く登山者になっていた。

 

百名山が持つ特殊な事情から、登山者の中にはこれを快く思わない人もいるだろう。深田久弥という一人の登山家が独断で決めたリストであること、百名山ブームによって観光地化が加速し、他方で選外になった山は顧みられない傾向にあること。そういった側面も認めつつ、それでも私は、自分自身が毎週登山に出掛けるほどにのめり込み、登山者として成長するためのきっかけでいてくれた百名山を、そしてそれを選んだ深田久弥を尊敬する。

 

そして、第一の目標である百名山を達成した今、気分としては人生のフェーズ1が終わり、区切りがついてフェーズ2が始まったかのような気分だ。山に対する情熱は尽きることはなく、むしろ燃え上がってすらいる。ここからは完全に己の意思で道を決めるのだ。

ジャンダルム・大キレットなど一般登山道でも未踏だった難ルートへ行きたい。取りこぼしている幾多の目を引く山々、霞沢岳や燕岳や赤牛岳や農鳥岳や蝙蝠岳やその他もろもろに登りたい。北鎌尾根や長次郎谷などバリエーションルートもやりたい。(相方が必要そうだが)クライミングもやってみたい。そして、海外登山も行きたい!まずは目指せキリマンジャロか。

 

これからも活動の様子をブログでお届けしていくので、これからもよろしくお願いします。

 

 

日本百名山完結編 道東遠征 ②百座目は羅臼岳

1日目はこちら

trthff.hatenablog.com

 

はじめに

日本百名山完結の旅、道東遠征2日目の記録。

早朝にらうす第一ホテルを出発し、羅臼岳と知床を山から海から満喫する。

 

 

2日目:羅臼岳遠望と知床巡り

羅臼岳登山の予定が消えたことで、大いに行動時間に余裕ができた。そこで急遽予約を入れ、

  • 午前:知床観光船
  • 午後:カムイワッカ湯の滝のぼり

という充実の日程が完成。

これら予約は時間が固定されているが、その他の隙間時間は自由だ。朝4時に起床し、既に明るい早朝から知床巡りを始めるのだった。

 

らうす第一ホテルからほどない距離にある羅臼港で朝の空気を吸う。天気も良く海面も凪いでいる、今日は素晴らしい一日になりそうだ!

羅臼にて

 

羅臼岳登山口へ立つ

さて、まずは羅臼岳登山口の様子を見に行こう。

閉鎖されていることは分かっているが、体力も充実した早朝にそこに立つことで、登る準備が万全だったことの証明になるだろう。というわけで知床羅臼ビジターセンターを訪れ、裏手にある登山口へと歩いた。

知床羅臼ビジターセンター

お、ここか


やはり、登山口には「4:極めて危険」という掲示とともにトラロープが張られ、登山道がはっきりと閉鎖されていた。

閉鎖中

お知らせだけ聞いて諦めるより、こうして現地に着いて自分の目で見ることで改めて気持ちの整理がついた。登る準備は万端だが、禁止されちゃあしょうがないね。

 

というわけで、羅臼岳は外から眺めよう。

羅臼岳のベストビュースポットといえば知床峠、今日は天気がいいからきっと山頂まで見えるはず。さっそく知床横断道路をドライブして峠へ向かった。

 

知床峠から羅臼岳を望む

朝7時の知床峠は昨日とは比較にならない快晴で、ハイマツ広がる大らかな景色が美しい。視界も良く、雲海の向こうには国後島までも見渡すことができた。

快晴の知床峠

雲海の向こうに国後島

そしてそこには、全容をあらわにした羅臼岳も!

羅臼岳

溶岩ドームらしく、椀を伏せたような弧を描いてピークが立ち上がり、その表面には流出した溶岩の痕跡が観察できる。

7月でありながら雪渓もわずかに残っており、1661mという標高にして樹林帯を持たず全面にハイマツ帯が広がる様子は極北の山らしさを感じさせた。

 

せっかくの好天なのでここで記念撮影。ちゃっかり持ってきた「日本百名山完登」手ぬぐいも掲げる。

日本百名山制覇(完登とは言っていない)

日本百名山に片をつけるという当初の目標はここで達成。

あとは知床のアクティビティを極めるのみ。まずは知床観光船に乗るべくウトロへ向かった。

この日のウトロは本当に綺麗

オロンコ岩の絶景

小ぢんまりとした港町であるウトロだが、その沖合にはひときわ存在感を放つ巨岩が座している。その岩の名はオロンコ岩。

オロンコ岩

てっきり、ただそこにあるだけの岩で自分と関わりが生じることはないだろうと思っていたのだが、岩肌をよく見ると階段らしき線が走っている。

...もしかして登れるのか? 登山者としての血が騒ぐ。

 

岩肌に走る線の出所に近づいてみると、案の定そこには階段が。そうとくればもはや登る以外に選択肢はない。

実は登れるオロンコ岩

200段ほどある階段を一気に上がり、巨岩の上から見えた絶景はまさしくウトロの真骨頂だった。

 

沖を見れば、凪いだ海面が空の青と溶け合いどこまでも続く、夏の穏やかなオホーツク海。

オホーツク海

下を見下ろせば、オロンコ岩をトンネルで貫いて観光船の船着き場を作り上げた人々の創造性を感じさせる、港の独特な構造。

観光船船着き場

ウトロ港

 

内陸を見やれば、そちらには羅臼岳を筆頭とする知床連山が堂々と並ぶ。

羅臼岳と知床連山

山も海も等しく美しい、あらゆる角度から楽しめる知床。世界自然遺産に指定されるのも納得だ。

 

オロンコ岩から下りた時点で時刻は8時ごろ。知床観光船ルシャ湾航路の出発時刻9:15はもうすぐに迫っていた。

とりあえずチケットは早めに発券しておく。

 

早朝起きで長時間行動しているので、出発前に腹ごしらえがしたいところだ。

ウトロ漁協婦人部食堂が8:30から営業してくれるようだったので、ありがたく朝食をいただくことにした。営業開始待ちの5人ほどの列に並び、開店とともに入店。

ウトロ漁協婦人部食堂

看板メニューである鮭の三種丼をいただいた。朝からこんな贅沢なものを食べていいのか!?という感じの美味しさで大満足。身といくらに自然についた塩味や旨味で味が完成されており、醤油の必要を感じない。

三種丼

知床観光船、海から眺める知床

内側から知床に染まったところで、オロンコ岩を貫通するトンネルの先へ移動。知床観光船に乗船した。

オロンコ岩の裏

乗船

今回選んだのはルシャ湾航路。小型船で2時間ほどかけてウトロー知床岬の中間にあるルシャ湾まで往復するコースだ。

さあ出発

小型船ということもあって揺れや波しぶきがそこそこあり、かえって冒険感を楽しめたのは嬉しいポイント。

そして、知床の海岸線はほとんどが断崖で構成されているという気づきも面白かった。視界を流れていく海岸を眺めながら上陸地点を考えて遊んでいたが、まずもって無理な箇所ばかり。

噴火と隆起による陸地の形成と、流氷や波による海食が組み合わさって断崖絶壁となったらしい。

この港湾適地の少なさが、現代に至るまでほとんど知床の開発が進まなかった大きな原因の一つなのだろう。

断崖絶壁

ギリギリ上陸できなくもないかも

ところどころに洞穴が

柱状節理

カムイワッカの滝
硫黄山から流れ出る温泉川だ

折り返し地点からは知床半島の先端に悠然と立つ知床岳が見えた。

登山道はないが、羅臼町側の道路終点からは比較的距離が近いようだ。いつか登ってみたいな。

知床岳

海からの知床連山の眺めも楽しみ、ウトロへ帰還した。

知床連山

下船

 

昼ごはんもやっぱり海の幸を楽しみたいが、二連続で海鮮丼よりは趣向を変えて焼き魚を食べたいところ。

圓子水産でホッケの開き一夜干し定食をいただくことに。まるまる一尾のでっかいホッケが目の前に!

ホッケの開き一夜干し定食

旨味が濃く、脂も乗っているがしつこさのない絶妙な味わい。無限にご飯が進み、当然おかわりもするのだった。

 

知床五湖へ寄る

昼食を終えて時刻は12時。

カムイワッカ湯の滝に予約を入れた14時までは少し時間があるので、合間に何かできそうだ。知床五湖に寄っていくことにした。

 

知床五湖はウトロ側の海岸線近くに位置する湿地帯の湖沼群。その名の通り5つの湖が存在する。

全ての湖を地上遊歩道で回るにはツアー申込が必要だが、一湖だけなら高架木道を通って自由に散策できる。というわけで高架木道へ。

高架木道を行く

木道は笹原広がる湿原の上をうねりながら伸びていく。起伏も多く変化に富んだ楽しい道のりだ。

 

知床連山がすべて視界に入る展望台も。ド迫力。

知床連山。羅臼岳から硫黄山まで

 

高架木道の終着点で辿り着いた一湖は睡蓮の葉を浮かべ、水面に知床連山のシルエットを映し出して乙な眺めだった。

一湖

 

カムイワッカ湯の滝へ

知床旅の最後の予定は「カムイワッカ湯の滝」。なんと、硫黄山から流れ出す温泉川を沢登りできるという実にユニークなアクティビティだ。

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沢への入り口には更衣室や仮設トイレがあり、スタッフも常駐している。ヘルメットは貸し出してもらえるうえ、ウォーターシューズも手前の知床自然センターでレンタルしてくることができる。

こちらとして必要な準備は服装ぐらいだったが、トレッキングパンツを膝までまくれば楽しむのには十分だ。

 

いざ沢へ足を踏み入れる。

見た目はごく普通の沢なので足を浸ける瞬間に冷たさを予期して身構えてしまったが、襲い来た感覚は温かさ。本当に温泉が流れている...!

 

足首ぐらいまで浸かりながらザブザブと登っていくと、足湯と沢登りを同時にやっているという面白い状態。

 

この温泉はpH1.6の強酸性らしく、沢が流れる岩肌には苔が育たないようだ。沢の横を巻くよりも、かえって沢に突っ込んでいった方がウォーターシューズのグリップがよく効いて登りやすかった。

温かい温泉が流れる

道中には主要な滝が4つあり、滝を越えて進んでいくにつれて水温も次第に上がっていく。最後にはいよいよ全身浸かったらのぼせそうな温かさになっていた。

1の滝

2の滝

3の滝


4の滝から先は立ち入り禁止。源流に向かうにつれて温泉の濃度も水温も上昇し、荒涼感が増していく様子が望めた。

4の滝

遡った先は硫黄山

 

4の滝までゆっくり往復して50分ほどの行程。短いながら刺激的な体験ができる良い場所だった。

 

女満別空港へ帰還

アクティビティも食事も詰め込みまくり、あらゆる角度から知床を楽しみ尽くした2日目になった。

女満別空港へのドライブのついでにオシンコシンの滝にも寄りつつ、満ち足りた気分で東京へ帰還するのだった。

オシンコシンの滝

 

おわりに

羅臼岳登山の予定がなくなったことで、かえって知床の見どころをぎゅっと詰め込んだ充実の旅になった!

また訪れる機会があるなら、そのときは知床連山を縦走したいところだ。それか、知床岳にも登ってみたいな。ヒグマ問題もあるし、無理に急がず長い目で見ることにしよう。

 

そして最後に、改めて...

日本百名山、制覇!!

 

日本百名山完結編 道東遠征 ①斜里岳

はじめに

2022年に初めて登った富士山以来、当面の目標として踏破を進めてきた日本百名山。

 

いよいよ残すは二座。北海道東部の斜里岳と羅臼岳だ。

 

7/11(土)から7/12(日)にかけて、登山人生最初の大目標である百名山完結へ向け、道東へ遠征してきた。

結果として羅臼岳登山道は封鎖されており、完全な登頂とはいかなかった。だが、万全の準備のもとに登山口に立ち、開通していれば登頂できたという確信を得ることができた。

そして、百名山制覇が完璧な形で終わらなかったことこそが、かえって私の登山に対する情熱をこれからも燃やし続けてくれる糧になることだろう。

 

そんな切なさもありつつ、羅臼岳に登れなかった代わりに知床を全力で楽しんだ旅の様子をお届けする。本エントリは1日目、斜里岳登山だ。

 

 

登山計画

斜里岳とは

斜里岳は知床半島の付け根に位置する標高1547mの古い火山。アイヌ語では「オンネヌプリ(年老いた山)」と呼ばれる。

登山道の中では清里町から伸びる旧道がとくに有名で、道の大半が渡渉・沢登りで構成された珍しい山行を楽しめる。

羅臼岳とは

羅臼岳は標高1661mを誇る知床連山の最高峰。山頂部は溶岩ドームとなっており、数百年前まで活動を続けていた活火山である。

登山道は知床峠を挟んだ両側から山頂へ向けて伸びており、北の斜里町では岩尾別温泉から、南の羅臼町では羅臼温泉から登ることができる。

近年は人とヒグマの距離が次第に縮まっており、昨年の2025年8月14日には登山道上でヒグマによる人身事故が発生。2025年中は登山道が閉鎖されていた。

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日程は羅臼岳再開に合わせ

当日の行動計画はシンプルだ。

道東の拠点である女満別空港へ飛行機で移動し、土日を利用してレンタカーで知床を巡る。

1日目は斜里岳へ登ってから知床半島へ移動し、宿泊。

2日目は朝から羅臼温泉登山口で羅臼岳へ登山。知床を観光しつつ女満別空港へ戻る。

行動計画

だが、計画をいつ実行するのかが問題だ。

2025年中は羅臼岳登山道が閉鎖されており、再開は2026年7月5日からという知らせが出されていた。

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だが、ヒグマ問題は根本解決していない。同様の被害が再発していつかは登山道が閉鎖されてしまうだろう。そこで、再開から間をおかない7/11(土)、7/12(日)を決行日とし、飛行機やレンタカー、宿の予約を進めた。

 

まさかの直前再封鎖

7/5(日)に予定通り登山道が再開されたところまでは想定通り順調に進んでいたのだが、遠征直前の7/9(木)にして問題が起きた。

羅臼岳オホーツク展望付近にてヒグマとの危険な遭遇があり、登山道がまたしても全封鎖されてしまったのだ。

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いつかこうなると分かっていたとはいえ、あまりにも早すぎてさすがに想定外だった。

かといって、計画は既に固まり切っており日程を移すことはできない。再度赴こうにも知床はそうほいほいと何度も行ける場所ではなく、また計画を立てたとてそのタイミングで登山道が開放されている保証はない。

 

事ここに至り、羅臼岳に関しては、無理に登頂を基準にしない方が身体的にも精神衛生的にも安全だという結論に達するのだった。自分の能力不足や計画不備が原因ではない問題に振り回され続けても仕方がない。ここで区切りをつけるべきだ。

 

というわけで道東遠征は予定通り決行。羅臼岳については、知床峠や知床五湖、知床観光船といったあらゆる場所からの間近な眺めを楽しみつつ、早朝に登山口に立つことで踏破ということに決めた。

 

何はともあれ、知床を楽しんで百名山完結にふさわしい旅にしよう!

 

1日目:99座目・斜里岳登山

いざ女満別空港へ

早朝から出発し、羽田からのJAL便に乗ってはるばる女満別空港へ。着陸寸前の窓からは整理された広大な農地が望まれ、久々に北海道へ来たことを実感させてくれる。

気温はこの地域に抱いているイメージとは異なり意外と暑い。例年と比べて涼しかった2026年も、7月に入っていよいよ真夏日からは逃げられなくなってきたようだ。

 

女満別空港は地方空港でありながら栄えている雰囲気がある。

道東に直接アクセスできる女満別空港の立ち位置は、いかな新千歳空港といえども替えが効かないのだろう。

女満別空港

さっそくレンタカーを借り、第一目標の斜里岳へ向けて走り出した。

道路はジャガイモ畑を突っ切って直線的に伸びていく。ジャガイモたちはちょうど花期を迎えており、一面に白い花が咲いているのが印象的だった。

ジャガイモの花が咲く


畑の向こうには独立峰たる斜里岳がそびえているはずだったが、その全容は低空を漂う積雲に阻まれている。かろうじて山裾がこちらを覗いていた。

 

信号もほとんどない快適な平野を運転することしばらく、斜里岳の登山口たる清岳荘へ到着。

清岳荘

登山口の小ぢんまりとした雰囲気とは裏腹に車は多数停まっており、中にはツアーで来ているらしきバスも。百名山のネームバリューを感じさせる。

掲示してある多数の注意書きをサラッと眺めてから登山に入った。上りは沢登りで有名な旧道を行くつもり、楽しみだ。

6/23にヒグマの足跡、6/25にヒグマの親子が目撃

 

10:45 斜里岳登山開始

登山口からすぐに鬱蒼とした樹林へ入っていく。


樹林を縫う細い道を辿っていくと、しばらくして沢へ合流する。

まだ旧道・新道へ分岐する手前ではあるが、さっそく斜里岳が本領を発揮し始めた。

沢へ合流

遡行

基本は沢沿いに道が付けられているのでそこを歩けばいいが、渡渉箇所が頻繁に出現する。飛び石渡りチャレンジを続けたが2回失敗、足首から下が左右1回ずつ沢にダイブすることになった。かろうじてびしょ濡れは避けたものの、なんともいえない靴下の湿り具合...

 

途中で一度沢から離れ、紙垂をくぐった先で旧道への分岐が現れた。

控えめながら紙垂が

下二股分岐

いざ旧道へ

旧道へ入ってからはいよいよ傾斜が本格化し、山頂へ向けた急登が始まる。沢の流れも激しくなり、道中ではいくつもの滝が現れた。どの滝も元気よくしぶきを上げて見事。

急登が始まる

三重の滝

一枚岩を登る場面も

 

滝を横目に標高を上げていくと、次第に視界が開けてくる。小雨がぱらつく場面もあるあいにくの天気ではあるが、かえってしっとりとした雰囲気が醸し出され、沢登りの登山道との相性は悪くなかった。

 

万丈の滝

七重の滝

竜神の滝

霊華の滝

霊華の滝に至っては、岩肌を舐めるように幅広く流れ落ちる滝に真正面から突っ込んでいく。このアスレチック感がたまらない。

 

霊華の滝をクリアしたところで沢登り区間は終了し、それ以降は上二股で新道と合流。胸突き八丁と名のついた急登を抜け、山頂へ向けたラストスパートに向かった。

上二股

胸突き八丁

山頂は近い

馬の背から望む山頂

山頂のふもとでは華やかに咲くニッコウキスゲ群落が私を待っていた。どうやらここだけに局所的に存在する群落のようで、道中では全く見かけなかっただけに新鮮だった。

登頂を祝福してくれているようで嬉しい眺め。

ニッコウキスゲたち

そして登頂!

 

13:00 斜里岳登頂

 

厚い雲は最後まで晴れず、残念ながら山頂からの展望はなし。

とはいえ山頂はよく開けた平坦な場所で、落ち着いて休憩を取ることはできた。

 

あまり標高が高くないことやコースタイムが短いことから、正直この山のことを見くびっていた。だが、こうして山頂に到達してガスに消えていく稜線を垣間見ると、想像以上にスケールが大きい。知床半島の根本に、さながら番人のように座す独立峰。斜里岳への畏敬の念が増した。



 

斜里岳への認識が改まったところで下山へと移った。もちろん選ぶのは新道だ。新道は上二股で沢を離れ、熊見峠というピークまで一度登った後に一気に下る尾根筋メインのルートだ。

上二股から新道へ

上二股分岐を通ってすぐ、竜神ノ池なるところがあるようなので寄り道してみた。

深さ1メートルはあろうかという大穴に澄んだ水が貯まっており、見ようによっては神秘的とも不気味ともとれる雰囲気。

周囲から川が流れ込む様子もないのに、水が溢れて下方へ流れ出しているのも不思議だ。地下水が継続的に湧出しているのかもしれない。

竜神ノ池

竜神ノ池から離れて熊見峠へ向かうと、雲はわずかに減り、振り返れば斜里岳の山頂も姿を見せていた。こうしてみると起伏が豊かだ。

斜里岳山頂

行く手の熊見峠も、ハイマツに覆われた稜線の先にひときわ高く立っておりただの通過地点と片付けられない美しさがある。

熊見峠

 

峠からは斜里町の平野、そしてその先のオホーツク海を遠望することができた。

 

熊見峠からは急坂を一気に下って標高を下げ、登山口までは1時間とかからなかった。

が、下山も終盤、いよいよ登山口に着こうかというところで突然の土砂降りが。ずぶ濡れになりながら這う這うの体で車内に逃げ込むのだった。まあ、渡渉中に降ってこなかっただけ良しとしよう。

土砂降りの登山口

斜里岳登山を完遂して時刻は15時。今日の宿泊地は知床半島の羅臼町側にあるらうす第一ホテル、温泉に入るのが楽しみだ。知床へ向けてドライブに乗り出した。

 

小腹が空いたので道の駅しゃりに寄り道。

道の駅しゃり

「インカのめざめ」という品種のジャガイモ。甘い!

あとは国道334号線に乗って海岸線をドライブ、ついに知床半島へ上陸だ。

知床半島上陸

斜里町側の主要市街地ウトロを抜けて国道を上がっていくと、ウトロの遠景を一望できるビュースポットが。

海岸線には巨岩がいくつもあり、それを縫うように港が形成されているのが印象的。

曇りがちなのが玉に瑕だが、晴れの予報が出ている明日にもウトロを訪れる予定だ。きっとさらに美しい景色が楽しめるはず。

ウトロを一望

ウトロからは知床横断道路を通って知床峠を越える。知床峠からは羅臼岳の全容が間近に見えるはずだが、今日は大半が雲に覆われていた。こちらも明日に再チャレンジだな。

 

らうす第一ホテルで宿泊

はるばるドライブも終え、らうす第一ホテルに到着。

らうす第一ホテル

広々とした露天風呂で温泉に浸かり、ずぶ濡れ状態から完全にリフレッシュ。

夕食もいただいてすっかり良い気分。

特に美味しかったエゾシカのシチュー

 

部屋では道中で買ったニシンとばをつまみにビールを飲んでいたが、ニシンとビールの相性があまりにもよくてたまげた。噛めば噛むほど溢れてくる脂と旨味をビールの爽やかな苦みで流す心地よさときたら!

やはりここに来たからには海鮮を全力で味わわねば。明日の知床旅を楽しみに眠りにつくのだった。

 

つづく

2日目、完結編後半へ続く。

 

 

 

岩手山登山~雲海の火口へ~

はじめに

2026年も7月に入り、ついに岩手山の入山規制が緩和された。山開きに合わせて、東側登山口から山頂への4コースが開放された形だ。

www.pref.iwate.jp

ただし、岩手山の噴火警戒レベルは2が維持されており、噴火リスクが一定あることには注意が必要だ。想定火口のある岩手山西側への立ち入りは依然として禁止されている。

 

東側限定とはいえついに山頂まで登れるようになった岩手山、行くっきゃない!というわけで7/4(土)に登山してきたのでその様子をお届けする。浅間山に引き続き、今年は登山道解禁ラッシュでアツいな。

 

山行計画

岩手山はその名の通り岩手県を代表する名峰。盛岡の北西部に位置する標高2038mの成層火山である。

 

東側は均整の取れた曲線が裾野まで続き、典型的な成層火山の様相を見せる。盛岡側から見る岩手山はこちら側で、「表岩手」とも呼ばれる。

その一方、西側には度重なる噴火で複雑な起伏を持つ外輪山が形成されており、「裏岩手」とも呼ばれる。どうやら岩手山形成の歴史においてはむしろ裏岩手が本体で、そこに寄生火山として後から生えてきたのが表岩手らしい。

この非対称性から岩手山は南部片富士とも称される。

 

https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/anzenanshin/bosai/kazanbosai/1004223.html より引用

さて登山計画についてだが、今回開放されたのは東側登山口から山頂への4ルート。

  • 御神坂登山口
  • 馬返し登山口
  • 焼走り登山口
  • 上坊登山口

登山口までの路線バス便などは存在しないので、公共交通機関勢はタクシーかレンタカーが必要になる。

今回はタクシーを採用したので、駅~登山口間の距離が最短となる滝沢駅~馬返し登山口の移動を選択した。朝から行動開始したいので、盛岡駅までの移動は新幹線ではなく夜行バスに。以上を踏まえて登山計画が決まった。

 

  • 夜行バスで盛岡駅へ
  • いわて銀河鉄道で盛岡駅→滝沢駅
  • タクシーで滝沢駅→馬返し登山口
  • 馬返し登山口から山頂ピストン
  • タクシー・いわて銀河鉄道で盛岡駅
  • 新幹線で帰還

 

山行録

大盛況の登山口

夜行バスは3列独立便を取れたので粛々と爆睡を決め込み、盛岡駅へ6時に到着。

気持ち良い目覚めとともにいわて銀河鉄道へ乗車、滝沢駅へ移動した。

いわて銀河鉄道。交通系ICが使えないのがつらい

滝沢駅

岩手山が山開きしてから初めての土曜なのでもっと登山者がいるかと予想していたが、滝沢駅にはほとんど人の気配がなかった。マイカーだったり盛岡から直接タクシーで登山口へアクセスする人が多いのかもしれない。

 

待ち時間で朝食も取りつつ、予約していたタクシーに乗って馬返し登山口へ。滝沢駅の閑散ぶりからは一転、登山口駐車場は車で埋め尽くされている。

第一駐車場

第一駐車場は完全に満車、第二駐車場もキャパオーバーが近いようで、第三駐車場まであふれ出している有様だった。山開きを待ち望んでいた人々はちゃんとたくさんいたようだ。

登山者は殺到している一方、肝心の天気は写真からも分かるように芳しくない。ガッスガスで視界はなく、なんなら霧雨も降っている。風がないことは救いだが。

天気予報は晴れを告げており、間違いなく大気は安定しているので、山頂はガスっていないかもしれない。だとしたらむしろ雲海を拝むチャンスだ。祈りを託して出発した。

馬返し登山口

登山口付近では治山工事が進んでいる

 

7:20 登山開始

登山口からしばらくは傾斜の緩く明るいブナ林が続き、爽やかな気分でゆっくりと標高を上げていく。登山道も土主体で幅が広いので歩きやすい。ありがたいウォーミングアップだ。

豆腐岩。ずいぶんといかつい豆腐だこと

予想されていた通り登山者はたいへん多く、一組追い越すと次の一組が視界に入るといった感じで無限に連なっている。必然追い越し回数は多くなった。

 

2.5合目では新道・旧道の分岐が出現。地図を見ていると、新道の方が要注意箇所が多いように見える。新道の意味とは何?とは思うが、「(昭和初期に開かれたが、近世以前に登拝道として開かれていた旧道と比べれば相対的に)新道」とかいう場合もいくらでもありそうなので、気にしすぎないことにする。

とりあえず往路には旧道を選択した。

 

ブナ林は次第に少なくなっていき、低木が植生を占有し始める。

四合目からは登山道の視界が一気に開け、岩のごろつく斜面を一直線に登山道が伸びていく。

8:15 四合目

四合目

視界開ける登山道

どこを踏んでも安定した岩なのでルートは取り放題、蛇行して負担を減らしても良いし真っすぐ最短を突き抜けても良い。今日は元気なので直登!

季節の花々もところどころに姿を見せ始める。

チングルマ

マルバシモツケ

ミヤマカラマツ

そして、空を見上げると束の間の晴れ間が。これは...山頂が晴れてるパターンだ...!


火山感を増していく登山道をさらに登り詰めると、いよいよ雲を貫いて青空の世界に突入した!地平線には雲海も姿を見せている。

青空の世界へ

雲海

祈りが通じた青空の向こうには岩手山の山頂、ついに真打登場だ。

 

きっと山頂からの眺めはさらに良いことだろう。ワクワクで歩を進め、八合目の避難小屋へ到着した。

 

9:10 八合目避難小屋

八合目避難小屋

火口の麓に広がる平地である不動平。八合目避難小屋はその入口に位置する山小屋だ。山頂を望む平地というこの上ない立地のおかげで景色がすばらしい。ここで宿泊するのも楽しいだろう。

ミヤマキンバイがたくさん

 

シーズン中には管理人が常駐するそうで、この日も飲み物・食べ物に加えてTシャツや手ぬぐいといったお土産を売っていた。

 

水量豊富な水場もあり、冷たい水が飲み放題なのはとてもありがたい。

 

ここから山頂へかけては急斜面はなく、不動平や火口の雄大な広がりを楽しみながらの楽しい歩きが始まる。

見上げる山頂はなだらかに裾野を広げ、中腹までを覆っている濃緑の植生も合わせて、穏やかで優しい山という印象を受ける。ここで1日中寝っ転がっていても気持ちよさそう。

不動平を楽しく歩く

不動平を挟んで火口の反対側には、外輪山が盛り上がって荒々しい印象を受ける。これが鬼ヶ城へ連なる稜線だが、確かに鬼ヶ城というネーミングは的確だ。

 

不動平を西に進んで火口南側に回り込んだところで、いよいよ火口へ向けた上りが始まる。

 

道は早々に左右へ分岐し、これらがちょうど円を描いて火口を周る格好になる。今回は左の分岐へ進んで、時計回りにお鉢巡りすることに。

ザレた道を上がっていくと、ほどなくして火口に到着。火口を取り囲むように並ぶ地蔵が信仰の山であることを感じさせる。

 

そして、背景の雲海と荒涼とした火口のギャップがどこを切り取っても美しい!

火口の陥没部

火口の中心部にもうっすらと草原が進出している。噴火とは縁がなさそうな光景だが、現在噴火が警戒されているのはここよりも西の黒倉山周辺だ。岩手山山頂部の火山活動は実際落ち着いているのだと思われる。

 

見下ろす鬼ヶ城も雲海にくっきりとシルエットを浮かび上がらせる。

 

池もチラッと見える。あれが御苗代湖だろうか。

 

火口内部も歩いてみたくなる

 

そして登頂!

 

9:50 岩手山登頂

山頂も広々としており、登頂の達成感に浸る人々が多数休憩していた。私も混ざって座り込みながら軽食をとっていたが、雲海を眺めながら決め込む休憩のなんと贅沢なこと!

 

岩手山の懐の深さ、優しさをこれでもかというほどに感じた往路となった。

 

お鉢巡り後半は岩手山神社の奥宮にもお参り。とりあえず山で神社を見かけたら参拝するのは習慣づいている。何かを願ったりするわけではないが、とりあえず挨拶するだけで心なしか背筋が伸びる。

 

こちらから見上げた火口部は砂漠感が強い。

 

そうこうしているうちにお鉢巡りも終わり、名残惜しいながらも下山に移った。

ありがとう、岩手山

 

標高差が大きい岩手山だけあって下山も長丁場となったが、新道を経由してテイストを変えたりしつつ下りきった。

新道では上りで見られかったシラネアオイも。

シラネアオイ

タニウツギ

麓はやはり厚い雲に覆われ

12:15 下山完了

下山したらまず行きたいところといえば...そう、温泉だ。

もともとは焼走り登山口に下山して焼走りの湯で入浴したかったのだが、どうやらいまは閉業しているため、馬返しのピストンにルートを変更した経緯があった。

www.asahi.com

そのため、今回は一度盛岡駅まで移動し、駅近くの盛南温泉開運の湯でお風呂に入ることにした。

 

観光タイム

登山も一段落して移動した盛岡駅では、気分はすっかり観光モード。まずは開運の湯だ。

開運の湯

盛岡駅近くという立地の良さから施設も立派で、天然ラドン温泉もしっかりと湧いているいい湯だった。

 

まだまだ時間はあるので、歩いてすぐの距離にある岩手県立美術館にも寄っていく。現在の企画展は小林徳三郎特集だった。

美術館そのものの建築もモダンで格好良い。

岩手県立美術館

 

最後に駅前の名店、盛楼閣で冷麺をいただき、食欲も満たされて新幹線で帰路に就くのだった。

盛楼閣で冷麺(大盛り)

 

総括

雲海に浮かび上がる雄大な火口を巡り、岩手山のやさしさに触れた最高の山行だった!

 

日本百名山、残すは二座!斜里岳と羅臼岳よ今行くぞ。

 

 

前掛山開放!浅間山の本領発揮

はじめに

2026年も半ばに差し掛かった5/22(金)のこと、浅間山の噴火警戒レベルが1に下がったとの知らせが入ってきた!

www.data.jma.go.jp

浅間山の噴火警戒レベルが2に上がったのは2023年3月23日であり、実に3年の期間を経てようやく火山活動が落ち着いたことになる。

 

この状況に沸き立つのが我々登山者だ。なぜなら、浅間山本体へ向かう登山道の通行が許可され、ほぼ最高点である前掛山(2524m)への登頂が可能になるから!

 

以前、積雪期に外輪山最高峰である黒斑山までは登ったことがあったものの、本体に登れるとなれば話が違ってくる。

trthff.hatenablog.com

 

登山道が開放された直後の週末、5/30(土)に喜び勇んで浅間山登山へ向かうのだった。当然、同じことを考える登山者で大混雑は予想されたが、静かな山行は他の山でやればいい。今日はお祭り感を楽しむ時だ!

 

 

山行録

高峰高原へ

当日は北陸新幹線で佐久平駅へ移動。

駅からは登山口である高峰高原までのバスに乗る...のだが、バス停は案の定の大行列!

ディズニーランドかなにか?

 

JRバス側としてもこの事態は予想していたのだろう。

最初のバスが満席で出発した後、残された行列に増発便という救いの手がもたらされた。ありがたく全員乗り込んで出発。

 

到着した登山口も、準備にいそしむ登山者で賑わう盛況。快晴もあいまって活気に満ち満ちている。

 

「噴火警戒レベル1」、感慨深い

 

浅間山登山は技術的に難しいところはない。日帰り登山装備に登山靴の靴紐を結び、すぐに準備は完了、さっそく山行に入った。

 

9:50 出発

最初は浅間山外輪山へ向けての緩やかな上りが続く。ここは木漏れ日豊かな樹林帯であり、火山という感じは薄い。

樹林帯が続く

およそ10m間隔で連なっている登山者たちを続々と追い越しながらテンポよく登っていく。5月というタイミングのおかげで適度な気温、スピードを出しても汗をかきづらいのは助かる。

標高を上げていくと、砂地が露出する区間が目立ち始める。少しずつ強まる火山の気配。

振り返って。高峰山・篭ノ登山・水ノ登山

 

よく整備された階段も通り抜け、槍ヶ鞘でついに外輪山の稜線に乗る。

浅間山のお出ましだ!

浅間山

均整の取れた曲線を描く黒々とした火山の山肌には、中腹まで植生の緑が這い上がってグラデーションを作り出している。さながら抹茶ガトーショコラである。

冬の粉砂糖ガトーショコラとはまた違った穏やかさがあり、この眺めも美しい。

 

左には前掛山へ向けて斜めに上がっていく登山道もはっきりと見え、いよいよあそこを登れるのかと期待感が高まる。

 

 

火山と樹林を隔てる境界のような稜線を歩み、トーミの頭へ到着。

 

10:30 トーミの頭

トーミの頭

前掛山へ登るにあたっては、まず外輪山と浅間山本体の中間にある鞍部へと下りる必要がある。トーミの頭を過ぎた先にある分岐点から下りへ入る。

 

 

下りは急斜面だが、爽やかな笹原を九十九折りに行く気持ちの良い道で楽しい。

横を見れば鋸岳の断面、振り返れば草原に立ち上がる岩峰が威容を見せる中を下りていった。

鋸岳

振り返って

下りも一段落

下り切った鞍部にはカラマツ林が広がる。林間が広く日当たりが良いのは、やはり火山活動から植生が定着しきる途上にあるからか。


 

しばらく林の中を進むと、ついに前掛山へ向かう分岐に差し掛かる。この先に行ける日が来た。

 

分岐の先へ進むと、最初ほぼ平地だった道は少しずつ傾斜を増していき、次第に山体を螺旋状に登り始める。いかにも成層火山である浅間山らしい道のり。

最初はほぼ平坦だが

山を巻くように登る

外輪山を振り返る

ゴールを見上げる

一定の斜面をひたすら上る体力勝負なので危険箇所はないのだが、下りてくる多数の登山者とのすれ違いには気を使う必要があった。なにせ道がガレている、無理に相手を避けようとして変なところを踏むと落石になってしまう。

 

前を追い越せるところでは追い越しつつ、20分ほどせっせと登ると山頂部へ辿り着いた。

ここから火口までは立ち入り禁止

たとえ噴火警戒レベルが1でも火口は立ち入り禁止なので、右に方向転換して前掛山へ向かう。

 

いやー、山頂部も案の定の大盛況だ!

 

このタイミングで前掛山に登っている人々は、きっと私と同じく規制の解除を待ち望んでいたはず。喜びを共有できている気がして、この大混雑のお祭り感は好ましいものだった。

 

山頂部にはシェルターもある。小ぢんまりしたトンネル状のものが2基と、規模としては御嶽などと比べて小さめ。とはいえ存在していることが重要だ。

シェルター

シェルターから覗く前掛山

 

立ち入り可能な最高点である前掛山は、火口からはやや距離を置いた位置に立ち上がっている。辺縁部の緩やかな斜面を登って山頂に向かうと、山頂標識の前には写真撮影町の大行列が形成されていた。有名店かなにか?

前掛山山頂へ

何分待ちですか?

待ち時間こそ発生したが、山頂からの景色は素晴らしいので飽きることがない。

まずは浅間山火口部。一応道らしき線も引いてはあるが、立ち入りはできない。

 

振り返ると、前掛山辺縁部の荒涼とした稜線。

 

黒斑山を始めとする外輪山も、こちらから見ると笹原と樹林のコントラストが明瞭で実に見事。

そして無事待ち時間も終わり、山頂標識で写真撮影!

 

12:15 前掛山登頂

 

カラマツの樹林から笹原、荒涼とした火山まで、多様なフィールドを味わい尽くし、大満足で下山へ移った。

 

下山の行程でも相変わらず列をなす登山者たち。すれ違いがないタイミングを見計らって慎重に追い越しを重ねていく。

 

無事に鞍部へ帰還。せっかくなのでここから外輪山も縦走することに。Jバンドから外輪山の終端である鋸岳に登り、仙人岳・蛇骨岳・黒斑山を経由して下山するというプランだ。

浅間山麓を歩いてJバンドへ

 

鞍部から見上げる鋸岳は、荒々しい岩稜を見せて急峻な様子。その印象に違わず登りは急斜面だが、距離はそれほど長くないので注意して登ればあっという間。

鋸岳へ

 

浅間北麓には溶岩流らしき跡も。

 

そして鋸岳へ登頂。

 

13:20 鋸岳

鋸岳からは本体が近く、火口部も見える

通ってきた鞍部

ダイナミックな様相の外輪山

ここで今日の上りはほぼ終了。あとは気楽に緩やかなピークである仙人岳・蛇骨岳・黒斑山を辿り、高峰高原へ下山した。

仙人岳

蛇骨岳

黒斑山

まったり下山

 

下山後は高峰温泉へ

高峰高原では日帰り入浴できる施設が2つ、高峰高原ホテルと高峰温泉がある。

ホテルには前回訪れていたので、今回は高峰温泉で温泉を楽しんだ。登山口からは1kmほど距離があるが、登山に比べればこの程度の距離は誤差。

高峰温泉

登山者が多かっただけに高峰温泉も利用者増でパンクしており、日帰り入浴の営業終了は本来16:00だが、この日は15時ごろに締め切り。ぎりぎり最終利用者組に滑り込むことができたのだった。

 

帰りのバスは高峰温泉前を通ってくれるので、ありがたいことに入浴後は歩く必要がない。余韻とともにバスに乗って帰路に就くのだった。

 

総括

登山道が開放された喜びを分かち合う、普段の登山とは一味違ったお祭り山行を楽しめた!