はじめに
槍ヶ岳・常念岳には登ったが、もっと北アルプスで時間を過ごしたい!
ということで、8/10(土)から8/14(水)にかけての5日間にわたり、4泊5日で北アルプスは黒部源流域の山々を縦走してきた。
今までにない長大な日程と高山の稜線をたどり続けるルート取りから、不確定要素は多め。山行を無事に達成するために事前の計画を丁寧に練っていたので、まず本エントリではそんな登山計画を記録に残したいと思う。
登山計画
目標地点
計画にあたり、はじめに目標を決定する。
まず黒部源流域の主要なピークを踏破したいので
をリストアップ。そして、それら山々に囲まれた最奥部にある高原地帯、「日本最後の秘境」として知られる
- 雲ノ平
の散策も目標に追加した。
そのうえで、これら目標を達成するためのルートを組んでいく。
ルート設定
まず薬師岳へどう登るかを決める必要がある。登り方は主に2通り存在し、
がある。
個人的にはせっかくの大縦走なので、ピストンで手軽に登ってしまうよりも縦走路に組み込む形でピークを踏みたい!ということで、2の室堂からの縦走を選択した。それに、こちらのルートなら縦走路途中にある高原地帯「五色ヶ原」にもついでに寄ることができて一石二鳥だ。
黒部五郎岳・鷲羽岳・水晶岳・雲ノ平に関しては、ルートへの組み込み方はほぼ一択なので迷う余地はない。水晶岳のみ岩苔乗越からのピストンで、それ以外は縦走路上で自然に通っていくことができる。
最後に決める必要があるのが下山ルートだ。この黒部源流域はとてつもなく山奥にあり、山域を脱出する方法が少ないうえ、数少ないそれらも1日かけた山行を必要とする。
今回は太郎平から折立へ下りるルートを採用した。太郎平は
の結節点となっているため、日程やルートの変更への対応力が高いのだ。また、折立登山口からは富山駅への直通バスが出ているため、帰宅に際しての利便性が高い。
以上を踏まえて山行のルートが決定。
なお、この時点では
- どこで何回宿泊するか
- 環状の縦走路をどちら向きに回るか
は未定である。次は各地の山小屋・テント場の利用条件との兼ね合いでそれら要素を決定していく。
宿泊地の決定
基本方針はテント泊である。最低でも3泊以上の長大な山行となると、山小屋泊では予約を取るのが大変・宿泊費用がかさむ・日程を柔軟に変更できないの三重苦になってしまう。
それを踏まえ、縦走路上にある山小屋・テント場をリストアップして利用条件を検討する。
スゴ乗越小屋
太郎平小屋
- 縦走路の結節点、太郎平にある山小屋。
- テント場100張(予約不要)
- テント場は小屋からやや離れた位置にある。張数が多いものの、折立登山口から近い・各山への起点・予約不要とあって混雑が予想される。
黒部五郎小舎
- 黒部五郎岳の奥、三俣蓮華岳との鞍部に位置する山小屋。
- テント場30張 (特定日要予約)
- 山行のタイミングが8月中旬ということで、見事に要予約の特定日にぶち当たってしまった。あいにく予約も埋まっており利用できなさそう。
三俣山荘
雲ノ平山荘
- 雲ノ平の中心に位置する山小屋。
- テント場50張 (特定日要予約)
- こちらも見事に要予約の特定日に引っかかってしまった。大人気なのだろう、予約開始は4月2日19時となっていたので、今さら確認してみたところで予約を取れるはずもなく...
薬師沢小屋
- 太郎平と雲ノ平を結ぶ薬師沢に位置する山小屋。
- テント場なし
- 雲ノ平キャンプ場が使えないことが判明したため、救いを探してこちらの空室を確認してみたが、奇跡的に残り1室の予約を取ることに成功した。
薬師沢小屋のみ山小屋泊することになったが、それ以外はテント泊できそうだ。
極端に行動時間の多い日を作らないように宿泊地点を割り振ってみるとこうなった。
- 1泊目:スゴ乗越小屋テント場
- 2泊目:太郎平キャンプ場
- 3泊目:三俣蓮華岳キャンプ場
- 4泊目:薬師沢小屋
2日目の薬師岳越えは標準コースタイムが7時間に満たず、あっという間に終わって暇しそう。ただし、宿泊地点が混雑の予想される太郎平キャンプ場。午前中に行動を終えてテント設営するぐらいが丁度よいかもしれない。
以上を踏まえて、ようやくルート図が確定した!
装備と荷物
現在持っている最大のリュックはドイターのエアコンタクトライト50+10。
テント泊メインの4泊5日では容量が若干足りないと思われたので、さらに大きいリュックを新調した。グレゴリーのバルトロ75だ。
- 背面長が自在に調整でき、腰で荷重を支える体勢を作りやすい
- 背面ポケットがリュックを寝かしていてもアクセスしやすく、テント泊時に超便利
- 2本の500mLペットボトルが入るホルダーが右サイドに設けられており、歩きながら取り出せる
- ストラップの数・位置は必要十分
- レインカバー付属
とありがたい要素が揃っており、店頭で試したすぐ後には購入を決めていた。なるほどグレゴリーのリュックが評判良い理由も分かろうというものだ。
最後にそこに詰める荷の検討だ。
水分は稜線上の山小屋などで豊富に補給できるため、さして大量に持ち込む必要はない。そこで、いつも通り2L+500mL*2のスタイルを採用。
食糧に関しては、「山小屋で一切補給を受けなくても一応生き延びられる」基準で用意した。これらに加えて山小屋での食事・売店を利用することでQoLを上げていく算段である。
だいぶ長くなったが、ここまでが事前に検討した登山計画のほぼすべてである。
そして山行が始まる
次回はいよいよ1日目、室堂を出て遥かな旅が始まる!