2日目
はじめに
本エントリは槍ヶ岳・常念岳縦走の3日目最終日、8/5(月)の記録となる。
常念小屋をスタートして目前にある常念岳へ登頂、蝶ヶ岳を経由して上高地まで下山する!
3日目:常念岳も蝶ヶ岳も
朝焼けの常念岳へ
昨夜雨が降っていたために天気を心配していたのだが、いざ起きてみると驚くほどの快晴。前日に引き続き、山肌を照らしだす燃えるような朝焼けを楽しみながら日の出を迎えることができた。
なんだか山々に歓迎どころか甘やかされているようで恐縮してくる。
天気は夜を通して改善したが、雨が降っていたのは事実なのでテントは濡れ濡れ、泥汚れもいくらかついてしまった。帰ったら要メンテだな~と面倒が頭をよぎるが、まあそれは家に帰った未来の自分に丸投げすればいい!
水切りもそこそこに、テントをリュックにパパっと詰め込んで雲一つない常念岳への上りに取り掛かった。
常念小屋は標高2500mを下回る鞍部に位置しているため、2857mの常念岳へ向けては400m程度の上りをクリアする必要がある。
縦走の中では大きめの試練だが、睡眠を経てリフレッシュしたばかりの自分、そして目指す山頂がはっきり見える快晴でバフがかかっているとなれば何ら困難ではない。出発から40分ほどであっという間に登頂!
常念岳は傍から見た山容もたまらなく美しいが、その山頂から見渡せる景色も360度の見事な大展望であった。
対岸の槍穂高連峰はもはや当然のこととして、その奥へ続く黒部源流域の山々も、大天井岳へ続く北への稜線も、蝶ヶ岳へ続く南への稜線も、そして東方向に広がる一面の雲海も、すべてを余すことなく楽しめてしまう。
この山行を通してすっかり常念岳が大好きになった。
最後のピーク、蝶ヶ岳へ
最終日の今日、常念岳に至っても快晴の大展望を味わい尽くせて、もはや1ミリたりとも悔いが残っていない。心が澄み渡っている。無我の境地で山行最後のピーク、蝶ヶ岳への稜線歩きに踏み出した。
まずは手前のピーク、かつてはこちらが蝶ヶ岳と称されていたらしい「蝶槍」へ登頂。アップダウンが激しく、また木々の合間を縫う細い道を通っていくため、葉からこぼれる大量の水滴をもろに受けて体を濡らす場面もあった。
蝶槍から先はアップダウンが再び鳴りを潜め、一転してゆるやかな稜線歩きとなる。ほどなくして現蝶ヶ岳山頂へ登頂!
さて、蝶ヶ岳へ登頂したことで、本山行の稜線歩きは無事終了、あとは長塀尾根を下って上高地へ下山するだけとなった。
長塀尾根は樹林帯を1000m下るなんとも単調な尾根で、特に標高が2000mを下回った終盤はまったく展望が効かない中で急坂が続く。ハイペースで私が追いついてもなかなか先を譲ってくれない登山者とのデッドヒート(結局追い越させてもらった)もあったりして、振り返ってみると途中の写真を一度も取らないままに徳沢登山口へ下りていた。
徳沢登山口到着時点で時刻は11時。デッドヒートのおかげもあってか思ったより時間が巻いている。もともと17時を予定していた帰りのバスは14時半の便に予約を変更。それでも時間に余裕があるので、最後に上高地で日帰り入浴を満喫することにしたのだった。
上高地には日帰り入浴可能な温泉がいくつかあるのだが、そのどれもが開放時間がかなり短く、時間帯が施設ごとにばらついていて、なおかつ地理的にも分散していて調べるのにかなり難儀する。
今回は幸い、午後の部として12:30-15:00に開放されている上高地温泉ホテルの外来入浴に間に合わせることができた。
2日間で溜まった汚れを落として物理的にも精神的にもさっぱりリフレッシュ。南にどんと立つ霞沢岳を眺めたり、日本における近代登山の父ウォルター・ウェストンの碑を見つけたりしつつ上高地バスターミナルへ帰還。高速バスで東京へと戻るのであった。
総括
終始好天に恵まれる中、槍ヶ岳から常念岳まで楽しみ尽くした最高の山行だった!
上高地からはまだまだ登ってみたい山が残っている。次来るとすれば焼岳や霞沢岳が目標になるだろう。大キレット縦走路もいつかは踏破してみたいものだ。