はじめに
11/19(金)に瑞牆山に登ってきた。
ルートは、みずがき山荘から反時計回りに瑞牆山へ登って不動沢を降りる周回コース。
すでに高山は雪に閉ざされ始め、冬が始まっているこの時期だが、無風の快晴を掴み取って楽しい山行ができたので記録する。
山行録
韮崎駅までは電車での移動だが、貨物列車の空転だとかで電車が遅延。
もともと8:50発のバスに乗る予定だったが、一便遅れの9:35発に乗ることになった。朝起きたときは「金峰山もありだな~」などと考えていたが、出発時間が遅くなったのでさすがに金峰山ピストンは諦め、当初の予定通り瑞牆山周回を決行することに。
バスではSuicaが使えない代わりにPayPayで決済できた。ICカードリーダーが不要だから導入しやすいのだろう。
車窓からは雪化粧をした甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山、富士山や八ヶ岳の美しい姿が目に飛び込んできつつ、みずがき山荘へ到着。
天気は見事に快晴、気温についても、すでに11時を回っていることもありさほど寒さを感じない。この季節で期待しうる最高のコンディションに巡り会えたようだ。さあ出発!
11:06 山行開始
道のはじめは晩秋の樹林帯、紅葉が終わり切って積もった落ち葉を踏みしめて緩やかな上りを歩んでいく。
富士見平小屋まではこんな感じの優しめな道が続くが、その中でもこれから向かう先を想像させてくれる特徴的な眺めがいくつかあった。
まず、溶け残った霜が散見された。登った先ではもっと凍ってたり雪が残ってたりするのだろう。
あと、巨岩がところどころにでんと鎮座していた。岩がいっぱいというのは瑞牆山の特徴として聞き及んではいたが、麓からこんな感じなのか。
ベンチの置いてある休憩地点では一気に景色が開け、瑞牆山の全貌が目に飛び込んでくる。
その眺めはなんと形容したらいいのだろうか。いくつもの巨岩が寄り集まって一つの山をなしているかのような特異な山容をしていつつ、かといって「岩の殿堂」剱岳のような威圧感を放っているわけではない。むしろ、岩々の間には緑豊かに森が広がり、かっこいいと同時に優しい印象すら受ける。剱岳が岩の殿堂なら、こちらは岩の集落といったところだろうか。なんにせよすばらしい眺めだ。
11:34 富士見平小屋
富士見平小屋を過ぎた先では徐々に斜度が上がっていき、道に転がる大岩の頻度も増えていく。
岩々の間を縫って一気に標高を上げ、いくつかちょっとした鎖場やハシゴも突破していくと、山頂手前でいよいよ凍結した地面がお出迎えしてくれた。
この時のために持ってきたチェーンスパイク、いよいよ初めて登山靴に装着。ツルツルで歯が立たないように見える氷もしっかりと捉えてくれるようで、安心して体重を預けることができた。
そして登頂!
12:47 登頂
山頂では360度きれいに見渡すことができ、雲のほとんどない快晴なのもあいまって圧巻の眺めだった。
甲府盆地を挟んで南を見れば白銀に輝く富士山が鎮座し、南東に目を移せば間近に重厚な山体を持つ金峰山がそびえ、南西には南アルプスが並び、かと思えば西には八ヶ岳がいくつものピークを尖らせている。
まさに山梨の高山フルコース。30分ほど山頂でぐだぐだしながらずっと景色に見入っていた。
無風とはいえ山頂はそれなりに気温が低い。体が冷え切る前に出発。
13:21 山行再開
ピストンだと山行時間が短すぎて物足りないし、もともと周回ルートが好きなので、下山には不動滝経由で北に降りるルートを選んだ。
予想していたことではあるが、北面はかなり広範囲にわたって雪が定着していた。降ってから時間がたって表面が固まっており、登山靴そのままで歩くのは厳しそうな感じ。チェーンスパイクで歩く練習になった。
不動滝を過ぎてからしばらくの間も沢沿いに下りていく道だったが、途中から手すり付きの木道が豊富に整備されていて頼もしかった。
それも終わって沢を離れると、道は西に向きを変え、正面から日が差す明るい道に。傾斜も緩くなっていきほどなく林道に出る。
みずがき山荘までの帰り道は林道を歩くだけで若干退屈だったが、体力は十分に残っていたのでペースを上げ、15:20のバスにぎりぎり間に合わせることができてラッキーだった。
歩いている途中、林道脇に車を止めてBBQしている人たちがいたり、オーバーハングした低い岩でクライミングの練習をしている人たちがいたりで、瑞牆山周辺のレジャーフィールドとしてのポテンシャルもひしひしと感じながらの帰り道だった。
15:20 みずがき山荘帰還
振り返り
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山岳気象大全 | 山と溪谷社 を読んで学んだ山の気象判断を初めて実践した。
- この週末は、金曜日に温帯低気圧が通過して積雪した。土曜日には西高東低の冬型気圧配置による強風が予想されたので山行を控え、等圧線が緩む&高層天気図での寒気のピークが関東を過ぎ去る日曜日に決行した。
- 土曜日に登った人のツイートを見ると雪が降っていたらしく、日曜は晴れで無風だったので正しい判断だったと思われる。
- 風速予報や天気予報が十分便利になっているので必ずしも必要な技術ではないかもしれないが、その予報になっている根拠まで理解できるのがベストだと思っている
- ニット帽・ネックウォーマー・下のスパッツまで徹底的に防寒対策を持ち込んだが結局出番がなかった。この季節の2000m超えでも晴れで無風ならあんまり寒くない。
総括
瑞牆山のエキセントリックな風貌を満喫できただけでなく、初冬の山に装備を整えて登る経験を詰めた貴重な山行だった!