思念の滝壺

山に登る。

金峰山登山~奥多摩の主へ、シーズンオフのご挨拶~

はじめに

11/23(木)に金峰山に日帰りで登ってきた。ルートはみずがき山荘からのピストン。

 

4日前に同じみずがき山荘発で瑞牆山に登っているが、その日は出発が遅れたこと、初冬の山に慣れていなかったことから、易しめの瑞牆山を選んだ。

trthff.hatenablog.com

 

今回は時間通りに出発できたこともあり、瑞牆山でチェーンスパイクの感覚を掴んで自信を持ったこともあるので、韮崎ー瑞牆バス路線の運行最終日となる11/23(木)に、満を持して金峰山へ挑んだ。

 

うっすらと雪化粧を始めた奥多摩の主は、青空とともに優しく私を迎え入れてくれたのだった。

 

 

山行録

電車で韮崎駅に向かう途中、寝ぼけていたせいで誤って塩山駅に降りるというポカをやらかす。かなり焦ったが、甲府まで次の便で行く+甲府から特急あずさに乗ることでギリギリ間に合った。

 

山に登っていると高速で特急券を買う技術が鍛えられる気がする。

 

なお、韮崎ー瑞牆線に乗る人の数は4日前よりも多かった。やっぱりみんな運行最終日というのを意識しているのかもしれない。

今日もここから、頑張るぞ

10:18 山行開始

天気はきれいに晴れ。気温も十分に上がっていて、麓では手袋も帽子も不要という良好コンディションだ。

明るい秋晴れ

ここから富士見平小屋までは瑞牆山と共通のルートになる。慣れた景色をさくさく登っていき、瑞牆山を横目に見ながら富士見平小屋まで一気に到達。

 

先日はありがとう

前日が平日(水曜)でもテントはまばらにある

 

富士見平小屋を過ぎたら、いよいよ道は分岐し、金峰山へ向かう尾根に突入する。

 

大日小屋までの道は傾斜が緩やかで、なおかつ尾根がゆったりと広いためにとても登りやすかった。こういう道を考え事をしながら登るのは気分が良い。

 

ゆったり尾根

11:11 大日小屋

大日小屋は常駐管理人がいない最低限の避難小屋といった感じでかなり古ぼけている。

 

まあ古さなんて関係なくて、雨風をしのげる建物がそこに存在しているというそれだけに無上の価値があるものだけど。私も忠別岳避難小屋にお世話になった。

大日小屋

大日小屋手前で鷹見岩へ往復する分岐があったが、ただでさえ日没の早いこの時期、しかも風が強まってくるという予報があるなかでの寄り道は無謀だったのでやめておいた。眺望は山頂まで我慢我慢。

 

大日小屋を過ぎた後から登りはしだいに本格化していく。道中には鎖場もいくつかあったが、どれも鎖を使わずに靴のグリップで登れる斜面で、危険度としては低かった。

 

大日岩と鎖場

 

この辺から道が雪に覆われ始めるが、規模がやはり瑞牆山とは違った。尾根の半ばから稜線上に至るまで広範囲に定着していて、多いところでは5cm程度の積雪になっている。

 

数日間の晴れによって雪は固まっているため、チェーンスパイクが最高に輝きを放っていた。凍結気味の雪にフラットフッティングで接地すると、とてつもなくグリップが効いてまったくと言っていいほど滑らない。頼れる装備だあ。

 

これはもう溶けないだろうな

凍結してる箇所も

厚さを増していく

ここまではずっと樹林帯を縫う道で、展望はほぼ開けなかった。金峰山主稜線、砂払いノ頭に至るとようやく、一気に視界が広がることになる!

 

待ちに待った稜線歩きだ

稜線も雪化粧

富士山とともに

 

 

手前から見た金峰山頂は、瑞牆山から見た以上に威厳を備えていた。

稜線には特徴的な岩がいくつもそびえ、さながらそれを中心に土を集めて山を作ったかのような光景。南に向かって切れ落ちている区間もあり、重厚でありながら鋭利さも内包している。

 

なんだか遺跡のようにも感じさせる

最奥には五丈岩

ユニークな岩がたくさん

金峰山小屋。山の状況をまめに呟いてくれて非常に助かる

稜線ギリギリまで樹林が続くのは奥多摩らしさ

五丈岩、到達ーー

そして登頂!

 

12:40 登頂

フェイク山頂

真の山頂

 

五丈岩は金櫻神社の境内らしく、登るのが禁止されているようだ。どうせならお参りしたかったが社殿の類は見つからず。心の中であいさつだけしておいた。

 

景色も最高だった。瑞牆山からの展望もそれはそれでよかったが、金峰山頂からだと高さが圧倒的に違う。主稜線の格好良さと積もる雪もあいまって、より厳かな光景になっていた。

 

稜線がいい

五丈岩も景色のアクセント

瑞牆山ははるか下に(ちゃっかり八ヶ岳も)

瑞牆山の奥にそびえる小川山。このペア、見た目が対照的

富士山と五丈岩

山頂では軽く腹ごしらえしていたが、気温が低いうえに遮るものがない中でそよ風が吹いているものだから、体は一気に冷えてくる。あまり長居していると体力を奪われそうだったので、時間をかけずに再出発した。

強風が吹いていたらもっと寒かっただろう。服に関してはフリースジャケットという最終兵器があるから良いが、手がかじかみだしたので、手袋が力不足かもしれない。スノーハイクに挑戦するならもっと装備を整えていかないとな。

 

復路は雪を踏みしめて下りていくことになるわけだが、下りは雪が積もっている方がむしろ楽かもしれないと思った。岩や木の根の隙間が雪で埋まっているおかげで足の置き場が非常に多く、歩き方に迷わない。それに、チェーンスパイクががっちり雪面をとらえてくれるおかげで安心して体重を預けることができ、大股でザクザクと下りていけて快適だった。

 

瑞牆山を見ながら下る

 

14:10 大日小屋

大日小屋まで戻ってきたころには、すでに西日が差し始めていて雰囲気は夕方に。この季節は行動時間の短いこと短いこと。

 

太陽が低い

富士見平小屋からは瑞牆山に登ったらしき人も見かけつつ、ほどなく帰還。

 

14:58 みずがき山荘帰還

なんと、瑞牆山周回のときより早い時刻に帰り着いてしまった。やはりピストンは王道、多少距離が長くても迷わず一直線に戻ってこれる。

西日が差す晩秋の林道。好き

最終運行日のバス

4連休最初の日ということで、帰りには特急を使わず、普通列車でまったりと帰ったのだった。

振り返り

  • 新登山靴(GK88)がこなれてきた&付き合い方が分かってきた。
    • ハーフインソールを入れたらフィット感は丁度良くなった。
    • イカットの紐の結び方の要領を掴んだ。
  • ここから冬山向け装備を整えていくとしたら何が必要か
    • 寒風に弱い。レインウェアを着ればある程度対策にはなるが、専用のハードシェルがあると望ましい
    • 手袋ももっと分厚いやつがもう1枚要る
    • 靴もこのままだと限界がある。冬用の登山靴が要る。
    • チェーンスパイクだけでなく軽アイゼン・アイゼンも必要になってくる

 

総括

うっすらと雪をまとった金峰山を存分に楽しめた素敵な山行だった!

 

初冬の積雪した稜線を歩く経験が積めたので、ここから低山スノーハイクが楽しめる程度のステップアップを目指していきたい。