思念の滝壺

山に登る。

剱岳・立山登山録 ②二日目:充実の立山縦走

はじめに

 

剱岳立山・奥大日岳登山の二日目、立山縦走の記録になる。

 

一日目の記録はこちら。

trthff.hatenablog.com

 

二日目山行録

 

この日は時間に比較的余裕があるため、4時頃に起き出した後はしばらく剱岳をまったりと眺め、明るくなってからテントを畳んで出発した。

 

5:50 出発

剱沢から出発して立山を南方向に縦走するにあたって、まずは別山から登ることになる。

テント泊装備を背負っているとはいえ、昨日の険しさと比べればはるかに穏やかな登山道でとても気が楽だ。

なんて優しい尾根

 

別山。末広がりな山体

別山山頂からは朝もやに包まれた北アルプスの山々が拝めた。ちょっと隠れていた方が神秘的。

中央のひときわ高いのは鹿島槍だろうか

 

剱岳もばっちり

 

これから進む立山を見据える

 

別山から尾根を南進している最中、ハイマツの群生のそばでライチョウに出会う!

ライチョウ、出会えるとは

 

想像以上にもちもちな感じ

 

人への警戒心はあまり強くないようで、2mぐらいの距離までは近づけてしまう。可愛らしい反面、生物として大丈夫かという思いも。それ以上寄るとさすがにハイマツの中へ逃げ込んでいったが。

 

ラッキーな出会いがありつつも、自分には現実的な問題が迫っていた。そう、行動食の枯渇である。いくら立山が穏やかめな山とはいえ、数百メートルの上りは待ち受けているわけで、そこをガス欠状態で登るのは避けたいところ。

 

そこで、当初寄る予定のなかった内蔵助山荘を経由することに決定。登山地図上では真砂岳からすぐに着けるように見えるが、意外と標高差があって往復が大変だった。

 

内蔵助山荘。主稜線から外れたところにある穴場的な山小屋

当座のエネルギーを補給するためにお菓子を買おうとしたが、荷揚げ直前らしく品数が少ない。仕方なく残っていたオーツ麦とレーズンのクッキーを選ぶも、これが存外美味しくて良かった。オーツ麦なのでタンパク質が豊富、栄養的にも申し分ない行動食を得ることができた。

 

一度エネルギーが供給されれば、体力は十分に有り余っている。富士の折立、大汝山まではあっという間であった。

 

室堂ってほんとにおもしろい地形。山の間に奇跡のような平地

大汝山休憩所。ここでもパンとチョコを買ってエネルギーをさらに積む

 

 

黒部ダム。よくこんなところに建てた

 

そして本日の核心部、雄山へと歩を進める。

行く先に見える雄山神社

振り返って

9:50 雄山

雄山では登拝料を支払うことで雄山神社へ参拝できた。

石階段を登っていった先に神社。神主さんに祈祷してもらえる

 

祈祷が終わった後にはなぜか全員で万歳三唱を唱えた。せっかくなので大声で乗らせてもらった。

 

下の社務所にいる人たちも万歳三唱を聞いてぎょっとしていることだろう

ここまでで立山と呼ばれるエリアは終了、ここから先は一の越まで下りた後、さらに南進して龍王岳へ登ってから雷鳥沢まで下山する。

 

一の越を見下ろす。奥には龍王岳が見える

 

なお、私の進行方向と逆、南側から雄山へ登る人の列が異様に多く、気持ち悪いほどの渋滞を引き起こしていた。さすが土曜の立山の最人気ルートの朝10時、この列に並んで登りたくはないな...

 

こうなることを想定してだろう、雄山と一の越の間の区間では上り下りで道が分けられていた。おかげで下りが快適に済んだ。

 

こんな人混みを見たら誰だってムスカになる

10:45 一の越

 

人が多すぎて若干辟易していた部分があるのだろう、個人的には一の越の先にある登りの方が、人が少なくて静か、雄山よりも楽しめた節がある。

 

富山大学の施設がある

富山大学施設がある分岐点で荷物をデポ、さくっと龍王岳をピストン。

名前もかっこいいし山容も堂々、人の少なさの割に素晴らしい山だった。

 

ここからは下りに移った。途中でエネルギー切れ騒ぎがあったこともありさすがに疲れが出はじめており、足取りは重かった。ただ、ガスが立ち込めて日差しがマシになったのはありがたかった。

 

自分が登っているときには快晴、下りたらガスが出てくるのすごい、山々に優しくしてもらっている。

 

軍人霊碑。日露戦争における富山出身聯隊の戦没者を追悼するもので、一度再建されている

疲れてると石段を下るのがしんどいのなんの

立山室堂は日本最古の山小屋だったのか

 

ミドリガ池。ミクリガ池よりずっと生物が住めそうな色をしている

そして、最後の石階段をしんどくなりながらクリア、ようやく今日の宿泊地、雷鳥沢キャンプ場へたどり着いた。

 

13:20 雷鳥沢キャンプ場到着

雷鳥沢キャンプ場。剱沢よりもアクセスが良いからか、人が圧倒的に多い

 

キャンプ場は人もかなり多いがキャパシティも大きいようで、問題なく場所をとることに成功。水は飲用可能なものが提供されておらず、また事務所には売店がないためあまり便利ではなかった。

 

今日の山行を軽く振り返ってみると、なにせ行程が結構長くアップダウンがあり、またエネルギー不足もあっただけに、昨日の剱岳よりも体力的なきつさはあった。もちろん、緊張感では比べるべくもないのだが。

 

近くの雷鳥沢ヒュッテで買ったカップ焼きそばをお湯を捨てずに作ったら意外と満足感があったり、明日の奥大日岳へのルートを確認したりして眠りについた。

 

三日目へ続く!

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