思念の滝壺

山に登る。

天城山まったり登山録~荒れ道の千変万化~

はじめに

6/24(土)に日帰りで天城山に登ってきた。

 

万二郎岳と万三郎岳を回るコースを気楽にさっくりと歩いてきたので、いつもよりも軽めの記録になる。

 

登山計画

まったり登山とはいえ、計画は例外なくきっちり立てる必要がある。

都内から公共交通機関を使って伊豆半島天城山まで移動すると、かなりの時間を食う。

伊東駅~天城縦走登山口のバスは

  • 第2便が7:55発で、始発でもほぼ間に合わない(ギリギリいけるっぽいけど急ぎたくない)。
  • 第3便が10:10発で結構遅くなってしまう。

と、ちょうどよい時刻の便がなぜか存在しない。

 

というわけで、仕方なく10:10発のバスにちょうど乗れるスケジュールに設定した。

 

コースは万二郎岳から万三郎岳まで登り、涸沢分岐点側を回って天城縦走登山口まで戻ってくるもの。

標準コースタイムは5時間もないので、11時にスタートしても余裕をもって間に合うだろうという予測のもと決定した。(じっさい大丈夫だった)

 

山行録

せっかく直前に買った登山地図を忘れるというポカをやらかす。

とはいえ、短いルートで概要は頭に入っているし、一般的なルートだから標識が多いだろうし、YAMAPを使う選択肢もあるのでそのまま出発。

 

天気は曇りだが、雲が厚くないようで視界は明るい。伊東線の車窓からは海が見えて、すっかり山モードの自分には新鮮な眺めだったり。

 

東京近郊の有名な低山、かつ土曜日なので人が多いかと思いこんでいたが、伊東駅発のバスはかなりスカスカでリラックスして乗れた。

 

登山中も「混んでいる」という印象は受けず、まばらな登山者とたまにすれ違うくらいの密度感で意外だった。筑波山や高尾山レベルじゃなくて自分としては助かった。

11:11 出発

近場の有名な山を網羅し、遠くの山に目を向けるたび、日帰り登山の出発時刻が確実に遅くなっている。9時、10時、そして11時、・・・そろそろ限界!

縦走路入口。縦走しない登山もたいていここが入り口

登山地図を忘れているので現地の地図が大いに助かる

登山道入り口近く、ニコニコ動画のような面構えの砂防ダム

登山道に入った瞬間は涼しいと感じたのだが、いかんせん湿度が高いせいで、あっという間に暑さが最高潮になりかなり汗をかいた。

 

また、前日に雨が降っていたのか岩や木の根の表面が濡れていて、苔むした岩も多いため滑らないように気を遣う必要があった。

 

万二郎岳への道は枯れ沢の中を錯綜していてかなり判別しづらく、標識が頼りになってくる。これは慣れてないと道迷いしそうで結構危ない。

 

国旗にしか見えない標識。

頼りになった標識はウクライナ国旗にしか見えなくてびっくりしたが、年季の入ってるものもあるし案内板にも同じデザインが書いてあるしで、昔から使われているものらしい。

年季が入ってるやつもある。

おそらくだが、山の中での視認性が最も高い2色を選んでいるのだろう。緑は論外だし赤も紅葉の時期に溶け込んでしまう。その点青なら空が見えない森の中では目立つし、黄色も花以外では基本見ることのない色だ。

 

じっさいかなり目立っていてルートファインディングの助けになった。

 

沢をクリアしてさらに登っていくと少し傾斜がついてくる。ここで木階段が現れだすのだが、悲しいことに木階段はかなりの数が崩れてしまっていた。残っているものもぐらついたり狭間の土が流出していたりとほぼ使い物にならない状況だった。

崩落した木階段。ここだけじゃなく無数に崩れている

こうも明確な現象を突き付けられると、登山道の整備が行き届かせられていないという切ない現状がだんだんわかってくる。

 

そうと分かってくると、木階段の崩れ以外の部分にも合点がいく。

  • 大きい石がごろついた歩きにくい箇所がかなり多い。
  • 複数の踏み跡が分岐合流を繰り返して本流の道が分からない箇所が多い。

 

登山道の整備はかなり大変だろうし、その割に得られるものも多くないだろうから道が荒れていても文句を言う筋合いはない。それに、私はどんな道だろうともただ登るだけである。

 

とはいえ、オンシーズンの休日の割に登山者が少ない原因の一端はここにあるのかなあと思って複雑な気分にもなった。

 

12:00 万二郎岳

正午になって第一のピーク万二郎岳に到達。

晴れであれば遠くまで見渡せそうなポイントもあったが、残念ながらガスで視界は開けず。

がんばれ標識腐食に負けるな

ガッスガス。

まだ1時間も行動しておらず、まだまだ活力に満ちているのですぐに万三郎岳へ出発する。

 

万二郎岳ー万三郎岳間はそれなりにアップダウンがあり、このルートの核心部として楽しめた。

 

トトロを思い出させる低木のトンネル。

高度感こそないが、こういう激しい傾斜がちょくちょくある

12:48 万三郎岳

自分が写っていないやつを撮り忘れたのでトリミングで強引にお茶を濁す

このぐらいの低山で軽装であれば本当に気楽に登れるようになっていてうれしい。カロメを食べてぼちぼち下山に入る。

 

涸沢分岐点周辺は特に道の歩きづらさが極まっていた。

  • 岩がゴロゴロした道が現れたかと思いきや、
  • 今度は木の根がびっしり張り巡らされ、
  • 次にはぐちゃぐちゃの粘土を歩く

といった感じで道は変幻自在に姿を変え、そのたびにモードを少し切り替える必要があった。また、ここも万二郎岳への道と同様、錯綜した部分が多く、迷わないよう視界を常に高く保っておく必要があった。

 

このルート、体力こそあまりいらないが、速く進もうとするとかなり技術がいるようだ。どこまでも道が荒れまくっているので、上手なルート取りと足さばきが常に要求される。私は初めから本格登山のつもりで入っているから問題なかったが、軽い気持ち・軽装で入る山ではないなあというのが全体的な印象だった。

 

14:11 登山口帰還

早く帰ってこられるのが一番。

おつかれさまでした

登山口の少し奥にはゴルフ場があったので建物を外から眺めたりしつつ、15:15のバスに乗って帰った。

おみやげで伊豆の地ビール。おいしい

気付き

  • 前回の反省を踏まえて朝ごはんをがっつり食べてみた。
    • うどんを4束も食べていったのだが、これ+行動食でようやくちょうどよいぐらいだったので登山の消費カロリーは恐ろしい
  • 綿の白Tシャツをそのままリュックに入れていったら変な色のシミがついた。汗の湿気+リュック内の汚れでこうなるのだろうか... 前にも同じ経験をしたことがあったはずだが、記録していなかったため同じ過ちを犯した。
    • 汚れやすい服は袋に入れていく

総括

想像を超えてワイルドな雰囲気で、軽めの運動量でありながら本格的な山というギャップが新鮮だった!

 

赤岳あたり、そろそろ計画立てるか。