はじめに
本記事はMinecraftの工業MODPack、Omnifactoryの解説記事第3弾である。
Part1では序盤のTIPS、Part2ではAE2による在庫管理を解説してきた。今回はElectric Blast Furnaceなどの生産ラインをどう設置・配置すると効率がよいか、自分なりに追求した結果について解説していく。
配置は重要である。機械をどのように置き、導管をどう繋げるか次第で、資材コスト・設置の手間・メンテナンスのしやすさ・スペースの節約といった複数の要素が変動する。よって、その配置方法が効率的かどうかを評価するには、これらの複数の観点から比較検討していく必要がある。
これからいくつかの生産ライン配置を紹介していくが、それらには複数の観点からの評価も付記していく。
- はじめに
- Greg機械作り溜めラインの配置
- Electric Blast Furnace(EBF)のブロック共有配置
- Assembly Lineのブロック共有配置
- Fusion Crafting(Draconic Evolution)の直線配置
- Deep Mob LearningのMEサブネットワークによる一元管理
- おわりに
Greg機械作り溜めラインの配置
Greg機械による加工はOmnifactoryで最も大きい割合を占めるものなので、この配置方法は最重要だと思われる。その中でも、特定のアイテムを生産してストックしておく作り溜めラインの構成方法を紹介する。筆者は以下の画像の構成を好んで使った。
まずCEF(Item Slots:16)は16アンペアの電流を流せる。つまり1個のCEFにつき16基のGreg機械を常時フル稼働させておくことができる。そこで、ケーブルを8マス伸ばし、その両側面に機械を配置して16基とする。加工したアイテムは側面のDrawerに自動搬出し、複数のDrawerを中心のDrawer Controllerでまとめる。そこにStorage Busを付けることで、作り溜めしたアイテムをすべてMEネットワークに認識させる。
利点
- 設置の手間が少ない。直線的・システマティックな配置なのでひたすら簡単に設置できる。搬出用に置いたDrawerが、直接ポン置きしたControllerで全て接続されて倉庫の一部になるのも非常に理にかなっている(有り体に言えば、美しい)。
- 省スペース。16基1単位のマシンを5*9=45マスの長方形に詰め込んで無駄なく運用できる。
- メンテナンスしやすい。Drawerの正面には貯蔵されているものが表示されるため、そこが何の生産ラインなのか一目で分かる。
欠点
- 複数の液体が絡む複雑な加工には向かない。液体とやり取りできる面が上面(と、浮かして作っていたら下面)しかなく、隣の機械と干渉しやすいため。
大量設置に向いている点、複雑な液体加工には向かない点から、総じてCreative Tankを開放して液体を無限化した終盤から使うのに向いている構成だろう。
なお、全ての機械がフル稼働することなどほとんどないので、CEF1基につきGreg機械16基に限るのはやりすぎな可能性もある。筆者の場合は、電力面を一切心配せずに作業していたかったため、常時全基フル稼働をデフォルトで保証した。
Electric Blast Furnace(EBF)のブロック共有配置
マルチブロックGreg機械のElectric Blast Furnace(EBF)といえば、スペースは消費するわコイルブロックの生産コストは高いわで効率とは程遠い存在と言えなくもない。とはいえ中盤以降は大量運用も視野に入ってくる重要なマシンなので、なんとかして効率を上げていきたいものだ。
筆者は複数EBF間のブロック共有が優秀だと考えている。
実は、画像のように、複数のEBFがまるで重ね合わされているかのようにブロックを設置すると、どちらのEBFも正常に機能する。これを利用して資材・スペースを節約しつつ、直線的に分かりやすく配置する。
ただし、Input BusとFluid Input Hatch、Energy Input HatchはそれぞれのEBFごとに必要であり、それらはお互い干渉しあわない位置に置く必要がある。画像の例では、EBF Controllerと同じ列にすべて置いている。(というか、干渉する位置に置いたらどういう挙動をするのか知らない。興味があったらぜひ検証してみてほしい)
利点
- 資材の節約。EBFを1基設置するのにコイルブロックは通常16ブロック必要で、これは結構重い。一方、ブロック共有をした場合、直線的に無限に延長するという仮定の下でEBF1基あたり10ブロックにまで削減される。
- スペースの節約。画像の例では6基のEBFが13マスの幅に収まっている。
欠点
- 柔軟性が低い。Input、Outputの位置が限定されるのでアクロバティックな配置はできない。ただ、これは、直線的な配置を強要されることで自然に分かりやすく合理的なラインになる、という利点の側面も持ち合わせると考えている。
何本ものEBFがコイルに束ねられているように見える光景はなかなかシュールでもある。
Assembly Lineのブロック共有配置
ブロック共有の技術は、Assembly Lineにも用いることができる。
Fluid Input Hatchは外側の側面に配置するとよい。
利点
- 資材の節約。Assembly LineはEBF以上に設置コストが重いので恩恵が大きい。
- スペースの節約。EBFと同様。
欠点
- 配置が面倒。とはいえ、しいて言えばという程度の欠点だし、そもそもAssembly Lineそのものが面倒だから仕方ない。一回ブロック共有の方法さえ覚えればむしろこちらの方が楽。
EBFと同様の項目になってしまったので、ついでにAssembly Lineの自動化方法を軽く検討していきたい。
1つ目の方法は、MEネットワークにレシピを登録する方法だ。10スロット以上の素材を要求するレシピも多いので、Packaged Auto(クエストブックでも紹介されているMOD)の出番だろう。Unpackagerに隣接させたチェストからアイテム導管でInput Busに繋げる。このとき、UnpackagerはBlocking Modeに設定することに注意。そうしないと異なるレシピの素材が同時にチェストに搬出され、混ざって大変なことになる。Input Busの数は十分に多く取っておくと(具体的には14列以上)詰まる事故を予防できる。(それでもWetware Mainframeは稀に詰まったが。なぜかSMDがばらけて搬入されてInput Busを余計に占拠することがあった)
2つ目の方法は、特定のアイテム用に専用の作り溜めラインを作るものだ。ME Interfaceから原料を常時搬出することになる。作るアイテムが決まっているので原料も決まっている。よって、各Input Busにつながるアイテム導管にItem Filterによるフィルタをかけることができる。詰まるリスクはゼロである。
前者は、設置した貴重なAssembly Lineがあらゆるアイテムの生産に使える柔軟性が強みだろう。ただし、アイテムはストックされないし、生産管理をMEネットワークに任せるため、並列設置したAssembly Lineをうまく使い分けてくれないこともある。
後者は、設置したAssembly Lineが1つのものを連続して作り続けるため、高速性は抜群である。アイテムがストックされるのも良い。ただし、全種類のアイテムに専用のLineを設置しようとすると気が遠くなる。
どちらか一方だけの方法で最後までやり通すのは少々厳しそうだ。前者の柔軟性と後者の高速性を組み合わせた運用が必要だと考えられる。
筆者の場合はTier7,8のMicrominerに大量に求められるEmitterとField Generator、Neuro Processing Unitについて専用の作り溜めラインを用意し、それ以外の品目については28並列+3並列+1基+1基(!)のレシピ登録ラインで生産した。正直そんなにいらない。
Fusion Crafting(Draconic Evolution)の直線配置
終盤になって運用を求められるDraconic EvolutionのFusion Crafting。中心のCrafting Coreに核となる素材を入れ、周辺のInjectorに素材とエネルギーを入れ、Coreにレッドストーン信号を与えてようやく行われるクラフトはとにかく煩雑である。
そのうえ、一定の距離内、特定の配置で複数のFusion Craftingを行うと、お互いに干渉しあってどちらのCraftingも進まなくなるという非常に面倒な仕様も存在する。
干渉が起こらないよう注意したうえで効率を追い求めた配置が、以下の画像である。
基本的には、2マス幅の間にInjectorとCoreとレッドストーン信号用のTimerを配置して1ユニットとし、そのユニットを2マス間隔で直線的に並べていくものである。
複数種類のラインを設置する際は、隣接するライン間でユニットを互い違いにする。
Coreの真上と一方の横側面はInjectorの設置を避け、空間を作る。
TimerはCoreの真下に設置する。信号を発する周期は何でもよいが、短く20ticks(1秒)ぐらいにしておけばクラフトの開始が少し早くなる。
利点
- 設置がしやすい。
- 直線的な配置なので、悩まずサクサク配置できる。
- 同じ種類のアイテムを同じ側のInjectorにまとめられる。画像の場合はDraconium4つを左、Ender Pearl3つを右、Dragon Egg1つを上に配置している。アイテムフィルタが必要ないのでアイテム導管の設定が楽。
- Coreの真上と横側面のInjectorが設置されていない線に搬入用、搬出用のアイテム導管を通す。すると、アイテム導管が変なところにつながっていちいち離す手間が省ける。
- 拡張性が高い。生産を強化しようと思ったら、ユニットを新たに設置して導管を伸ばすだけである。
- 干渉が起こらない。ユニットを隣接するライン間で互い違いにするのは、Fusion Crafting間の干渉を防ぐためである。干渉を防ぎつつギリギリまでコンパクトに並列配置しようとするとこうなる。
欠点
- スペースを食う。拡張性の高さは、ラインを伸ばしていく先のスペースが確保されているという前提でのものである。必要量が増加していくと見込まれるアイテムの生産ラインについては、あらかじめ余裕のある配置をする必要がある。
自動化の方法についてだが、幸い大量生産を求められる品目の数はそれほど多くないので、専用ラインを素材ごとに設置していくのがいいだろう。Fusion Craftingに関してはレシピ登録するのは正直効率が悪い。理由としては
- CoreとInjectorを区別してアイテムをフィルタリングするのが困難、あるいはできたとしても設置に非常に手間がかかる。
- Fusion Craftingには時間がかかる。複数種類のレシピを単一のFusion Crafterで実行可能にしたところで、大量生産のためには結局それを大量設置する必要が出てくるので意味が薄れる。
専用ラインで必要以上にクラフトしてしまうのが嫌なら、Drawerに搬出して意図的に詰まらせればよい。Drawerのデフォルト32スタックでもちょっと多いという場合は、Downgradeを適用して1スタックに制限することもできる。
Deep Mob LearningのMEサブネットワークによる一元管理
序盤から多くの資源を無限化してくれるOmnifactoryプレイヤーの味方、心強いDeep Mob Learningくん。多種多様な資源を作り出してくれるのはいいのだが、いかんせん種類が多くて設置や管理が非常に面倒だ。なにせゾンビのシミュレーションをしてるだけでもPristine Zombie MatterとOverworldian Matterの2種類が発生し、そのうえ前者は専用機械Loot Fabricatorで個別にアイテム化しなければならず、後者は複数のMobで共通のアイテムなのでまとめる必要がある。
アイテム導管でフィルタリングしてもできるが、これだけ種類が多い状況だと専用のMEネットワークを作ってその中でMatterたちを管理するのが楽だと感じる。下の画像は筆者によるサブネットワークの運用例である。
メインネットワークとは別に小規模なネットワークを作り、Simulation Chamberから搬出したMatter群はすべてネットワークにいったん取り込む。その後、ME Interfaceを介して、適切なFabricatorに該当するPristine Matterを分配して成果物をDrawerに搬出、Overworldian Matter/Hellish Matter/ Extraterrestrial Matterについては直接Drawerに搬出する。それらのDrawerを、Storage Busを介してメインネットワークに組み込む。
利点
- 設置が楽。生産を強化したいならSimulation Chamberを追加で並べてアイテム導管を繋げるだけでよい。Fabricatorについても、Chamberとは離れた場所で個別に好きなだけ設置できる。
- 拡張性が高い。設置が楽とほぼ同じ意味合い。
欠点
- 設置コストが少し高い。小規模とはいえMEネットワークを新たに構成することになるので、序中盤にやるにはコストに見合うほどのメリットはないかもしれない。
これは、設備を潤沢に設置できるようになり、設置コストよりも設置の手間や拡張性の方が重要になってくる終盤にこそ輝く構成ではないだろうか。中盤に関しては筆者自身、サブネットなど考えもせず、アイテム導管のフィルタリングでダイヤモンドなどの物資を無限化していた。(ついでにそれでNumismatic Dynamoを動かして発電していた)
おわりに
本記事では効率的な機械の配置をメインに論じてきた。テーマがテーマだけに、今回紹介したものが最適とも限らないし、人によって重視する要件は異なるためいろいろなやり方があるだろう。効率よい方法があるならぜひ教えていただきたい。もちろん質問も歓迎です。
次回Part4では最終盤、ゲームクリアまでの道のりについて解説する。
Part4